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北岳 【南アルプス】 <その1> 2011年8月3日〜4日

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一昨日(13日)に北アルプス屈指の花の稜線「白馬岳〜雪倉岳〜朝日岳」から帰宅したばかりなので、その一週間前の北岳が遙か昔のことに思えます。

しかし、改めて撮った写真を見ると、花の種類、山の大きさと展望など北岳の魅力は計り知れず、またすぐにでも出かけたくなるのです。

8月上旬に計画したのは、この山に咲く面白い形の植物「タカネマンテマ」に会いたかったから…

実は6年前の同時期、白根三山を縦走した折、楽しみにしていたのですが、調査不足と思わぬアクシデントのためすぐ近くまで来ていながら会うことがかなわずとても悔いが残っていました。

その日、白根御池小屋から二俣を経て八本歯を登っていた時、下ってきた単独の男性がすれ違う寸前で沢に転落しました。
ちょうど、連続する梯子を下り終えたばかりの地点です。
転落した時は頭や顔から血が流れ、口もきけずとても動ける状態ではありませんでした。
早朝だったことあり、近くにいたのは私たち二人だけ、目の前で起きたあまりの出来事に驚きとショックで
ドギマギするばかり…
逆さになった男性を引き上げ、
持っていた救急セットでできる限りの応急処置をして差し上げましたが、とても私たちの手に負える状態ではなく、どうしたものかと途方にくれていた時、、当時、夫が使っていたDOCOMOの古い携帯「MOVA」が幸いにも通じたので、北岳山荘に連絡することができました。

山荘のスタッフが現地に到着するまでは約二時間はかかるでしょう…この日は農鳥小屋までの縦走を予定していた私たちには時間的も切羽詰ってしました。
その後、続々と下山する方々が状況を見て声をかけて下さるのですが、沢まで下りてきてはくれません。
たぶん、怪我をされた男性と私たちは同じパーティだと思われていたのでしょう!

このままだと、とても農鳥小屋まで辿りつけないと考え、事情を説明し、比較的余裕のありそうな方々に見守り交代していただきました。
その数時間後に無事ヘリコプターで救出される様子を北岳山頂付近で確認して先を急ぎました。

後で聞いた話では、男性は蜂を追い払おうとしてバランスを崩したとのこと、救出後は三ヶ月ほどの入院で、
怪我も完治されたとのことでした。

 気分的にも少々滅入っていましたが、北岳周辺のお花畑は色とりどりで素晴らしく、そんな出来事があったことすら忘れさせていました。

出会えたらラッキーぐらいに考えていたタカネマンテマはやはり見つけることは出来ませんでした。
それでも、仕方ないとその時は簡単に諦められたです。

しかし、その後、農鳥小屋で同宿したご夫婦からタカネマンテマが咲いていたことを知らされ、少なからずショックを受けました。探した場所が完璧に違っていたのです。

2005年8月3日、あの日から6年が過ぎましたが、今度こそ憧れのタカネマンテマに会えることを信じて8月の北岳を目指しました。

【コース】 

<8/3>広河原07:55 → 大樺沢二股10:25/35 → 八本歯梯子下12:00 → 八本歯のコル12:25/40 → トラバース道分岐13:10 → 北岳山荘14:20

<8/4>北岳山荘05:40 → トラバース分岐06:35/45 → 北岳山頂07:30/40 → 北岳肩の小屋08:40/50 → 草すべり分岐09:25 → 大樺沢二股10:35/45 → 広河原12:30

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<8月3日>

 

芦安駐車場に着いたは6時45分、7月海の日の三連休は溢れんばかりの車の数に圧倒されたけれど、今日は第二駐車場に楽々停めることができました。
7時発の乗合タクシーで広河原へ向け出発、乗車時間45分で到着です。

天気予報でも曇りのち雨でしたが、広河原に着くと青空も見える絶好の登山日和でホクホク^^

 

7:55 北岳に向けて出発です。

 

 8:35 二俣、御池小屋の分岐

昨年7月、キタダケソウ狙いの時は大樺沢方面が通行止めだったので右の御池小屋方面を登りましたが、せっかくなら沢沿いの大樺沢コースが気持ちいいですね!!

ヤマホタルブクロ


勢い良く流れる沢からほとばしるマイナスイオンを体いっぱい受けながらルンルンで登ります。

クサボタン     キツリフネ
     

     

オヤマボクチ      サワギク
            

 

ホソバトリカブト     タマガワホトトギス
       
   
レイジンソウ       ソバナ
  

 

センジュガンピ        ミツバベンケイソウ      
   
名前が分からなかった右上の植物はミツバベンケイソウでした。
野生植物写真館の宮本さんから教えて頂きました。宮本さん有難うございます。
                            

 9:35  立派な仮設の橋を渡ります。

良い方に外れたはずだったお天気ですが、そう思い通りにはいかないものです。

高度を上げるとともにガスの中へと突入することになります。

 

クガイソウ       カイタカラコウ
         

タカネグンナイフウロ


二俣に近づくと、期待したミヤマハナシノブがそこかしこに咲き乱れてているのを目にし、いつものハイテンションに…

 

あ、あ〜〜美しい…
うっとりと見とれてしまうミヤマハナシノブ…
北岳では普通にみられるミヤマハナシノブですが、この花はどこででもみられるものではありません!

北岳を代表する貴重な花「ミヤマハナシノブ」がこんなに間近で観察できて、ここまで来た甲斐があったというものです。



久しぶりにミヤマハナシノブを思いっきり堪能できました。下りもここを通るので明日も楽しみです!!

 

シロウマオウギ

10:25 二股



二俣に着くとポツポツ降り出しました!!まだ雨具を着るほどではないけれど何だかいやな予感…


ミヤマクワガタ
 
南アルプスのものは色が濃くて一段と美しく、アカイシミヤマクワガタとも呼ばれ区別しているようです。



イブキトラノオ

ミヤマハナシノブは大樺沢沿いに点々と咲いているので、辛い登りも癒されますね!



エゾムカシヨモギ


ミヤマミミナグサ


12:00
「北岳山頂まで1時間40分」の標識がある梯子下部、ここから八本歯のコルまで延々と梯子がつづきます。
そうそう、このすぐ下であの事故に遭遇したのでした…ここからも気を引き締めなきゃ!!

雨あしがどんどん強まり、梯子も滑りやすくなています。果てしなく続く梯子にヘトヘトになり写真どころではありません。
もう登るのに必死、コルの標識が見えてきた時は心底ホッとしました!!



12:25 八本歯のコル


疲れ果てていたのは夫も同じ…
この近くにシロバナタカナビランジが咲いていたはずだからと探しに始めた私ですが、夫は根が生えたかのようにビクともしません^^;;


ヤマブキショウマ


そして、そそり立つ岸壁にシロバナタカネビランジを見つけました。

タカネビランジは雨に打たれ少々くたびれていました。蕾があるようなのでこれからの開花に期待ですね。

それにしても一歩が出ません…

雨なのでザックの中から食べ物を出すのが面倒だからと、何も口にしていなかったのがバテの原因かも、
適当な場所を見つけて大休止、パンと温かいお茶でエネルギーを補給しました。
少し元気になったかも…

13:10 トラバース道分岐

去年はこの辺りにキタダケソウが沢山咲いていたなぁ〜

今回は黄色一色!!その正体は…



キンロバイ 

一面を黄色に染め上げた見事な咲きっぷり、明日、お天気が回復したら撮るぞ〜〜!!

ミネウスユキソウ


ミヤマムラサキ


ハゴロモグサ


ハクサンフウロ


クルマユリ



イブキトラノオ、ハクサンフウロ、ウスユキソウなどが咲き乱れるトラバース道のお花畑


濡れた手、濡れたカメラを濡れたタオルで拭きながらの撮影はなかなか大変です。

 

タイツリオウギ

タイツリオウギのアップ

イワオウギ


チシマギキョウ


イワオウギ       シラネヒゴタイ
        

キタダケヨモギ

タカネコウリンカ

 

イワオウギとタカネシオガマ

山荘まであと10分…



ミヤマウイキョウ

タカネヤハズハハコ

北岳山荘がぼんやりと見えてきた時は本当に嬉しかったです^^



北岳山荘に宿泊するのは初めてのこと。右俣コースを登るとここまで辿り着けず、肩の小屋でストップしてしまっていたので今回は八本歯を登ったのですが、予想外の苦戦でした。

心配した混雑はそれほどでもなく、10畳ぐらいの部屋を6人で使うことができてゆったり過ごすことができました。 
乾燥室を兼ねた一階の通路にはストーブが焚かれていて、濡れた雨具なども干すことができます。

肩の小屋には古き良き時代のそれなりの良さがありますが、今回は北岳山荘を選んで正解でした。

 

明日は晴れの予報が出ています。

トラバース道のお花畑が楽しみ、そして何より憧れのタカネマンテマに無事会えることを願いながら、
眠りにつきました。

 

<その2>に続きます。

 


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