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シハイスミレ咲く丘陵 【撮り比べ】  2012年4月10日

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 毎年のように通っているシハイスミレが咲く丘陵地、今年はいつ頃咲くかな…と考えていた時、
彩さんから開花の情報を頂き、さっそく出かけてきました!
ちょうど最盛期、咲き誇るシハイスミレは完全な独占状態、時の経つのも忘れ、美しいしシハイスミレに酔いしれました。

最近は、PENTAX ばかりで撮っていましたが、久しぶりにCANON も持ち出し、両方で撮り比べてみました。

※クリックで二段階に拡大します。

左:CANON EOSkissX2 (レンズ:EFS60mmMacro)  右:PENTAX K7(レンズ:TAMRON90mmMacro)

  

   

   

  

  

  

こうして並べてみるとあっさりした色合いのCANONの比べ、右のPENTAXの方が色の乗りが、こってりしていますね!
 

 

 こんどはニオイタチツボスミレ、マツバタチツボスミレ?、タチツボスミレなども並べてみます。
同じように左がCANON、右がPENTAXです。

 
《ニオイタチツボスミレ》

  
《ニオイタツツボスミレ》

タチツボスミレとニオイタチツボスミレが混在する場所には両方の交雑のマルバタチツボスミレと思われる
スミレ咲いていました。
ニオイほど花色は濃くありませんが、基部の白がハッキリしていて全体的に丸みを帯びています。
葉には斑が入っていますが、形はタチツボスミレですね!むしろ、アカフタチツボスミレと呼ぶべきでしょうか…?

 
《マルバタチツボスミレ?》

こちらはタチツボスミレ、葉には少しだけ赤い斑が入っています。同じ被写体じゃないけど並んで咲いていました。

   


これより下はPENTAXで撮ったものです。

  

 

 こちらもPENTAX k7、いずれもセレクトモードを“雅”に設定しているので紫色がより鮮やかです。

 
《シロヤブケマン》     《シュンラン》

 

ただしPENTAX k7は、AFが甘くマニュアルでピント合わせするので時間がかかります。
(かなりの後ピンで+10まで微調整をしているのですがマクロ撮影だと甘くなりがちなので、面倒だけどMFにしています)

登山中、短時間で撮るには、軽くAFが正確なX2の出番が多くなります。
とはいえ、独特のK7の色再現も捨てがたく正直迷うところです。
購入当初はペンタの色に馴染めない上、ピンぼけ写真の量産だったので、K7にはいい加減お手上げ状態でしたが、二年以上が経過し操作にも少しだけ慣れてきました。まだまだ機能の極一部しか使えていないというのに…

なのに…

新しいカメラからの誘惑を振り払うのに必死です。腕が悪いのを棚にあげ、カメラを変えたら上手くなれる
のではと考えてしまうのです。お金もないのに、この物欲には困ったものです…^^;
しばらくはこの二台のカメラを交互に使っていくことにしなきゃ、ですね^^; 

 


シハイスミレ? 2012年4月12日

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都心のソメイヨシノが見頃を過ぎると、少し遅れて東京都の西部地区の桜が満開を迎える。

川べりの桜を愛でた後、ちょっぴり山道を登ると可愛いスミレたちがポツポツと出没する。

先日の丘陵地から少しだけ離れた場所に咲くシハイスミレは、

個体差なのか顔立ち、花色、距、葉の鋸歯など、どことなく違ってみえる…



優しい雰囲気…



ほっぺたを連想する側弁がぷっくりしていて、横広のお顔に他人とは思えない親しみを感じるのです 

こちらは唇弁が若干細目のアンバランスさもまた可愛らしい^^

こちらはユーモラスなひしゃげ顔…



あらら、よく見ると側弁の基部に毛が見えますね!!シハイスミレには確か毛はないはずだけど…

 他のシハイスミレさんも拡大してみたけど、側弁に毛があるのは ↑ の株だけみたい…
もっとしっかり確認してくれば良かったかな。



こちらの美人さんはピンクがより強く、葉もピンと立っていてマキノスミレみたい… 

株数は多くないけど、それぞれに個性あふれるシハイスミレたちに出会うと、ワクワクします。

 

 近くのタツツボスミレも気持ちよさげに日光浴中(?)


タチツボスミレ


ミツバツチグリの黄色が新鮮に映ります!!


ミツバツチグリ


ヤマエンゴサク?と思ってよく観察してみたら苞葉が全縁なのでジロボウさんでした。


ジロボウエンゴサク


“地獄の釜の蓋”の別名を持つキランソウがその名の如くびっしりと蓋。


キランソウ

満開の桜もきれいだけれど、足下の春はもっと魅力的ですね!!
 

オクタマスミレ《奥多摩菫》ほか 【山梨県】 2012年4月21日(土)

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 長年恋焦がれていたオクタマスミレ、遂に出会ってしまいました!
この日をどれほど待ちわびたことでしょう…

オクタマスミレはヒナスミレとエイザンスミレの自然交雑で生まれた美しいスミレです。
両方が存在する場所なら比較的見つかりやすいと聞いていたのですが、
いざ探し始めると簡単にお目にかかれる相手ではありませんでした。

それが、今年はどうしたことでしょう!!
あれほど探しても出会えなかったオクタマスミレにすんなり、それも大量に出会うことができて、
この日はテンション上がりっぱなしの幸せな一日でした!!

初めて見つけたオクタマスミレは葉が大きく花色も濃いのですが、少々時季が少し早すぎで
現在開花準備中ってところでした!
他にも小さな花芽が隠れていたので、
これから咲き進んだら見事な株になるだろうと想像しワクワクでした
 

【オクタマスミレ】



もう少し開いたところを見てみたいと考え、少しだけ時間をつぶして再び戻ってきたのですが、
相変わらず側弁がくっついたまま、
その後も近くで開くのを待っていたのですが、そう簡単に開花するわけもなく…^^;仕方なく諦めて下山しました。



さて、場所を移動し次なる目的へと行くと、一際美しいヒナスミレがあっちにもこっちに咲き乱れています。
「やっぱりヒナスミレって可愛い!」と順々にカメラを向けていると、なんとその中に一回り大きな花を付けたヒナスミレが…
あれぇ〜よく見ると…なんとこれこそがオクタマスミレではありませんか?
なんともまぁ、こんな近くにいるのに見過ごしてしまうことってあるんですね〜

その後は目が慣れてきたこともあり、次々に探すことができました!
こんな私でも見つけられるってことは、案外今年は豊作なのかもしれませんね!

  



いやはや、こんなに大量のオクタマスミレに出会うことができるなんて夢のようです。

 

 そして、その片親であるヒナスミレも大好きなスミレですから、今回もたくさん撮ってきましたよ!
まずは色白のヒナスミレ…前日の雨でまだびしょ濡れ状態です。
これくらい白かったらシロバナヒナスミレって呼んでもいいのかな…

【ヒナスミレ】
 

 



葉に斑が入ったヒナスミレはさらに美しさが倍増しますね

【フイリヒナスミレ】


そして、もう一方の親のエイザンスミレもバリエーション豊かです。
なかにはヒラツカスミレ(エイザン× ヒゴ)と呼んでもよさそうなスミレも含まれていますが、同定できないので、とりあえず
全部エイザンスミレとしています。

 【エイザンスミレ】


↓ こちらの花、エイザンのように花弁が波打っておらず、すっきりしてします!??かなりの美人さんですね! 

これも怪しい(?) 

 

こちらの株は葉の切れ込み細いのでヒラツカスミレと呼んでもよさそうだけど、花弁はエイザンらしく波打っていますね〜

 

そして、こちらは逆にすっきりした花弁でむしろヒゴに近いスミレ、でも、葉はエイザンだし…
それとも、シロバナエゾスミレの部類にはいるのかな…??

一口にエイザンスミレとは呼べないようなスミレが多く、頭を悩ませてしまいます。
やっぱり、ヒラツカなのかな〜〜
悩みは深くなるばかりです





他にも、こんなスミレたちが出迎えてくれました。 


 【キスミレ】
 

【イブキスミレ】
  

 

【マルバスミレ】
 

 【クロバナアケボノスミレ?】
  

蕾のクロバナアケボノスミレ、開花したらどんな色になるのでしょうか?

たくさんのスミレたちに出会うことができきました

 

 

鳴神山 【群馬県】2012年4月24日

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鳴神山といえば、カッコソウが有名ですね!
カッコソウといえば環境省は、5月1日より絶滅の恐れのある国内希少野生動植物種指定し、採集や売買の禁止と生息地の保護を合わせて行う方針とのこと、カッコソウの他、シモツケコウホネ、ウラジロヒカゲツツジが加えられ、
違反した場合は100万以下の罰金が課せられるようになったそうです。
採集はもとより、売買の禁止が加えらたことで、道の駅やネットでの山野草の販売にブレーキが利くといいのですが…
ついでに、野生ランやサクラソウの仲間など多くの希少種がこの対象になるといいですね!!

さて、カッコソウを見るには時期がまだ早すぎですが、
この時期は数々のスミレとアカヤシオを見るには良い季節のはず…でしたが、
そちらも少し早すぎたようでした。
それでも、さすが花の百名山、様々な植物たちに出会え、十分に楽しむことがでできました。

出会った花をご紹介します。
 

まずは、ヒトツバエゾスミレです。
エイザンスミレの変種で、葉が単葉になった珍しいスミレです。
信州の山などにもあるようですが、私はこの鳴神山以外でお目にかかったことはありません。



 


ヒトツバエゾスミレ

お目にかかる機会が多いマルバスミレ、純白の美しいスミレはここにもたくさん咲いていました。

マルバスミレ


ヒカゲスミレ


楽しみだったひとつがトウゴクサバノオです。
狙い通り、咲き始めの一番よい状態で出会うことができたのですが、小さい花は少しの風でも小刻みに揺れ、
撮れた写真はゴミ箱直行の不出来なものばかり…
その中で少しはマシなものを…

 


トウゴクサバノオ

シロカネソウ科のトウゴクサバノオは外側のクリーム色5枚は萼片で花弁は黄橙色です。
花弁は反り返らないのが特徴とのことですが、この個体は見事に反り返っていました^^
あらら、これまで気づくことはなかったのですが、花弁はよく見るとハート型をしていたのですね!
カワユ〜イ


トウゴクサバノオ



ヒゲネワチガイソウ


おや、ミヤマカタバミが…と中を覗いてみると紅紫いろの鮮やかな筋がハッキリみえます。
ミヤマカタバミ変異のひとつかと考えていたのですが、これはオオミヤマカタバミという種類なのだそうです。

葉にも特徴があり、展開すると外側はまるでハサミでカットしたかのような直線になるようです。
残念ながら、花にばかり目がいき、開いた葉を撮影してませんでした。

 


オオミヤマカタバミ

沢沿いに早春の花カタクリが咲き残っていました! 

 
カタクリ

 
フタバアオイ


ルイヨウボタン



コガネネコノメソウ



イワネコノメソウ


ツルネコノメソウ


野生のワサビの花が咲いていました。


 ワサビ

登山道にはお馴染みのユリワサビも清楚な白い花を咲かせていましたが、なぜか写真は一枚もなし…

 そして、この山の名を冠したナルカミスミレと言いたいところですが、はたしてこれを純白といえるか疑問ですが、^^;

少なくとも、ほかもスミレさんに比べると白さが際立っていました。

 


ナルカミスミレ(もどき)

山頂でお会いした「鳴神山を守る会」の方からお話を伺ったところ、ナルカミスミレは昔はたくさんあったそうですが、数年前に
全山で調査した時でも、純粋なナルカミスミレといえるスミレは数株しか見つからなかったそうです。
なので、厳密にいえば、これはナルカミスミレには程遠いものかもしれませんね!
でも、一応“白”ということで…^^


《アカヤシオ》

山頂より日光連山を望む。アカヤシオはまだ蕾が多い。




~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


それと、もうひとつ、変わり種をご紹介します。

場所少しだけ移動したら、珍しいスミレを発見しました。
交雑種を期待し、もしかしたら(アカネ×ゲンジ)のカクマスミレ??などと勝手に夢を膨らませていたのですが、
さるお方に同定を依頼したところ、単なるアカネスミレであることが判明いたしました。ガックシ…

花色の薄いアカネスミレ




珍しいスミレに出会った時は葉の裏、托葉などをしっかり撮影しなきゃ…ですね^^;

とってもきれいなスミレでした!! 


ゴールデンウィークの今、鳴神山頂のアカヤシオは満開を迎えている頃でしょう!

 

奥多摩周辺スミレ探し 2012年4月28日

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山肌が緑のグラデーションで色付けされた“山笑う”季節は、
色とりどりのスミレが咲き揃う、じっとしていられない時期でもあります。

前日の雨がすっかり上がった連休初日の土曜日、はなねこさんご夫妻と奥多摩の山を歩きました。

はなねこさんとはずいぶん以前からのお付き合いですが、お会いするのは今回が初めて^^
どんな方だろう?と、ちょっとドキドキ…

でも、お会いした途端にそんな不安はすっかり解消しました!
イメージどおり、穏やかで可愛い感じの方…ダンナ様もとってもやさしそうな方でホッ!!(#^.^#)
すぐに打ち解けることができ、歩きながらの楽しいおしゃべりは尽きません!

昨日の雨はすっかり上がり、日射しが眩しく感じます。さあ、今日は暑く、熱〜くなりそうです!

登り始めると、暑さに慣れていない体から汗がダラダラ、顔からも汗が吹き出します
それでも、可愛いスミレたちを前にすると何かも忘れ集中!右に左にとアングルを変え撮りまくります。
フアィンダーを覗くとメガネが曇り、息を止めると息が上がり、初っぱなからヨレヨレ、
“数撃ちゃ当たる”の精神で、やみくもにシャッターを押しまくって撮った写真は、はやりそれなりの出来で、
どれもこれも“何だかなぁ〜〜”の写真ばかりですが、
出会ったスミレちゃんたちははピカイチの美しいものばかりでした。

まずは、フモトスミレ、小さくて可愛いスミレです。    

※縦長の画像はクリックで拡大できます。


フモトスミレ

そのフモトスミレの白花種、その名を「シラユキフモトスミレ」と呼ぶそうです。
距には紫色が残っていますが真っ白なスミレは確かに白雪姫を連想します。 

        
シラユキフモトスミレ
 


シラユキフモトスミレ

フモトスミレには変異も多く、花色も葉も様々に変化するので素人の私には識別が難しく悩ましいスミレのひとつです。
今回の白花は初めでした。 


乾いた登山道に点々と咲いているマキノスミレの濃い紅紫色がよく目立ち、小さいながら存在感抜群です。


マキノスミレ

     
マキノスミレ

 

エイザンスミレもカラーバリエーションが豊富で見飽きることがありませんね! 

           
エイザンスミレ

  

 お次はアケボノスミレ、ひときわ大きくポッチャリ型のアケボノスミレを見かけると全てをカメラに収めなけれな気がすまず、
そのたびに、はなねこさんのダンナ様は文句も言わず辛抱強く待って下さいます。 

          

↑ 左のアケボノスミレは葉が少し細長く見えますね!もしかしたらナガバノスミレサイシンの血が混じっているのかもしれません!!

 

さて、さて、本日のお目当てはジャ〜〜ン””このスミレです。
矢も盾もたまらず出かけることにしたのはどうしてもこの娘さんに会いたかったから…



咲き残っていることを願いつつ、出かけることにしたのでした。

先日、オクタマスミレとじっくり向きあってきたばかりなので、実物を前にすればすぐに名前が分かるはず…でした。

スミレ図鑑を持参し実物とも見比べたし、周辺に咲き乱れるマキノスミレの多さも条件に合ってる!!
うん、これは、カワギシスミレ(マキノ×エイザン)に違いない!!
と、安易な識別で、あとは写真撮りまくり(?)

あとで、確認すると右の個体には側弁に毛がないことが判明!!
オクタマスミレもカワギシスミレも側弁は有毛とのことだし、それに、無毛の方は花色も葉も濃い目の色づけです。
すぐ近くにはヒナスミレも咲いていたとのことで、ますます混乱するばかり…

       


スミレの識別は一筋縄でいきませんね〜
毎回、反省はするのですが、可愛いその姿を前にすると、とりあえず撮ることだけで精いっぱいになり
識別は後回しとなるのです^^;

来年、再確認することにして、とりあえずは宿題としておきます。

でも、私にとってはどちらかと言えばカワギシスミレに判定がついた方が嬉しいかな^^




         

惚れ惚れするほど美しいスミレでした〜〜


交雑種にすっかり魅せられた私は、普通のフモトスミレを見てもその違いを探すようになっていました。
そこで、発見したのがこれ↓
花はフモトだけれど葉が細長く何となく様子が違う…
こ、これ(左)は、ミドリミツモリになりたくてなりきれていないフモトスミレだ!!←(意味が分かりません^^;) 

       
だとすれば…もしかすると、あるかも知れないと辺りを探すと、はっきりそれと分かるミドリミツモリスミレ(右)があましたよ!
  
肉眼(老眼)で側弁の毛を確認するのは困難なので、液晶で拡大してみると確かにありました!毛が…^^



小ぶりですが、間違いなくミドリミツモリスミレです。

ということは昨年は消滅していたアノ場所でも今年は期待できるかもしれないはなねこさんと顔を見合わせ、
思わず笑みがこぼれます^^

はたして、その結果は…
場所はいくらか離れていましたが、以前と同じ区域でしっかり再生されていました〜〜 


ミドリミツモリスミレ


側弁の毛も確認できますね!今が見頃の立派な株です。

 



はなねこさんのダンナ様には“お待たせ”の連続で退屈させてしまいましたが、私にとって有意義で大収穫の一日でした。
情報を提供してくださったHgさん、ありがとうございました!
そして、はなねこさん、ダンナ様、本当に楽しい一日でした。またご一緒させてくださいね!!


たくさんのスミレに出会えて、これだけでも充分に満足だったのですが、はなねこさんご夫妻とお別れした後、
いつもの場所へと行ってみることにしました。
4年前に大株のミドリミツモリスミレを発見した場所です。

こちらでも、ミドリミツモリスミレを数株見つけましたがいずれも貧弱で小さなものでした。
もっとも、最初に来たのがここならばそれなりに喜んでいたと思われますが、
先程見てきたばかりの花に比べるとやはり見劣りします。
暗かったこともあり写真はどれもブレブレでお見せできるものではありませんが一応、
自分自身の記録として残しておこうと思います。


別の山で見つけたミドリミツモリスミレ



あっ、それからスミレの他にも大好きなトウゴクサバノオが新鮮な状態で迎えてくれたのでご紹介しますね!

雫がキラキラ光り、より一層美しさを際立たせていましたよ!

 

      

 

 
トゴクサバノオ
 

 この日撮った枚数は500枚以上、いつになく力が入った割に、PCに取り込んだ画像を見ては
深い溜め息が…カメラ任せでは進歩は望めないですね!

〜CANON EOS kissX2  60mmマクロ使用〜






 

 

交雑種のスミレたち(ミドリミツモリスミレとミツモリスミレ) 2012年4月30日

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 奥多摩で久々にミドリミツモリスミレ(フモトスミレ× マキノスミレ)を見つけて大興奮だったのですが、
その二日後、奥武蔵の山でさらなる大株を目にすることができたのは、
情報を提供して下さったAさんのお陰、感謝してもしきれませんデス^^

ドキドキしながら登山道を登って行くと、フモトスミレ、フイリフモトスミレ、マキノスミレなどがポツポツ現れ、
否が応でも期待が高まります。そして、行く手に一目でそれと分かる大株が目に飛び込んできました。
開いたばかりの美しいスミレを前に暫し言葉を失いました!
美人13姉妹、どの角度から眺めても非の打ち所がない完璧な姿!!
交雑種ってどうしてこんなに美しいのだろう…


ミドリミツモリスミレ【緑三ツ森菫】

 美しいスミレが盗掘者の目にさらされたらひとたまりもないですね!
どうかどうか来年もこの地で生き延びてほしいと強く願うばかりです。


別の尾根でも大株ではないけれど数株のミドリミツモリスミレに出会うことができました。


ミドリミツモリスミレ【緑三ツ森菫】

 

 お次は、花だけでなく葉に斑が入ったミツモリスミレ(フイリフモトスミレ× マキノスミレ)
美しいミドリミツモリスミレがさらにバージョンアップって感じ!!
ミツモリスミレは初めましての出会いです。
図鑑でみるような見事な斑にうっとり…
花色は白地にかすれたような紫色が乗っていてミドリミツモリより淡い色付けでした。


ミツモリスミレ【三ツ森菫】

この一帯はすでに終盤、僅かに咲き残っていた花は一輪だけですが、存在感ありますね!


ミツモリスミレ【三ツ森菫】

 

 

しつこいけど…^^;

ミドリミツモリスミレの両親はフモトスミレとマキノスミレ
ミツモリスミレの両親はフイリフモトスミレとマキノスミレ

当然のことながら、近くにはたくさんのご両親様がいらっしゃいましたよ^^

 
フモトスミレ【麓菫】

 
フイリフモトスミレ【斑入り麓菫】((斑が少ないタイプ)

 
フイリフモトスミレ【斑入り麓菫】(完璧な斑入りタイプ)

 

美しいマキノスミレも大勢いました!


マキノスミレ【牧野菫】 


マキノスミレ【牧野菫】

おや、こちらもマキノスミレだと思うのですが、シハイスミレみたいに広幅の葉です。↓

 
シハイスミレ【(紫背菫】?


そして、この株にいたってはマキノスミレでありながらかすかに斑が入っているように見えます。
もしかして、フイリマキノスミレなんてことはないでしょうね^^;
なんでもありのこの界隈、とにかくすごいです!!


マキノスミレ【牧野菫】(ちょっぴり斑入り)

とにかく、あまりにマキノスミレが多すぎて有り難みが薄れるほど…^^


マキノスミレ【牧野菫】

 そして、そして、一番頭を悩ませているのがこの娘さんたちです。↓


ミドリミツモリスミレにしては、フモトの特徴が顕著に出すぎていて、はっきり言って風変わりなスミレといった印象です。



決め手になるようなが画像がないのが痛いところですが、
今のところ、ミツモリスミレの変異節、フモトシハイスミレ(ミツモリスミレ)などが有力です。←あれ、同じこと?
マキノスミレもフモトスミレも変異が多いので、変わり者同志がくっつき、その際、フモトの力がより強かった…
ということでしょうか…う〜〜ん、書いていながら何だかチンプンカンプン^^;

ご協力下さったNYANさん、宮本さん、てばまるさん、ちしゃ猫さん、アライグマさん、様々なご意見有り難うございました。

 ちなみに、10m四方で見られたスミレこんなんでした〜!
右端のシハイスミレと思われるスミレだけは100m以上離れた場所で撮影しましたが、
よく探せば、同じ領域なのでシハイスミレも近くにあったかもしれませんね! ↓

 ※クリックで拡大できます。
  
フイリフモトスミレ/フモトスミレ/ミツモリスミレ/マキノスミレ/シハイスミレ?


そして、この山には美しいエイザンスミレも多いので、次はこの山で産まれたカワギシスミレなんか見つかるといいな〜!

 
エイザンスミレ【叡山】

 

 この日は、フクシアさんとのバッタリもあり、花好きの二人は花談義に花が咲き、まさに花、花、花の濃い一日でした。

長くなるので、ミツモリスミレもミドリミツモリスミレもごく一部しか載せてませんが、
他にも画像がた〜〜んとありますので、そのうちHPのスミレのページに載せるつもりです。
さて、いつになることやら…はぁ〜〜

霧訪山に咲く花 【塩尻市】 2012年5月5日

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三年前の4月下旬、初めて霧訪山を訪れた際、斑入りのシハイスミレの蕾を数えきれないほど見かけました。
時季が少し早過ぎたため開花したフイリさんをほとんど見ることができなかったことが心残りで、
いつかは再訪したいと考えていました。

連休後半の5月5日、今ならきっと咲いているに違いない!!
確かな情報もないまま咲いていることを信じ、渋滞を覚悟で出かけることにしました。
行きは早出したこともありスイスイと流れ、登山口の「山ノ神自然園」には
7時10分に到着、さっそく支度して歩き始めました。

【山ノ神自然園】07:10


駐車場には先客の車が二台停まっているだけ…
ひんやりとした山の空気と小川のせせらぎが心地よく、気分は最高です♪
左手の自然探索路のニリンソウはすでに終わり、大きく育った水芭蕉の葉が目立ちました。
鳥のさえずりを聴きながら「信州はやっぱり空気が違うね!!」と、
早起きして出かけてきたことに満足しながら歩きます^^




「たまらずの池」の水は少なめですが、山桜とのコントラストが美しいです。



そんな霧訪山で出会った花々をご紹介します。

 スミレは種類ごとに仕分けしたので、出会った順ではありません^^;

      

狙いはぴったり合い、登山口付近から美しい斑入りのシハイスミレが次々に登場し、たちまち急ブレーキ!!
以前、岐阜県の山で見かけたものより淡い色合いです。

※ 縦長の小さい画像はクリックで拡大できます。

           


 幅広の丸みがかった葉と、名前由来の紫色の葉裏から考えてフイリシハイスミレと思うのですが(多分)
マキノスミレが現れた辺りから花色、葉ともに変化が生じますので、どこで線引きするのか迷うところです^^;                  

      
【フイリシハイスミレ】

 






  左側に写っているのは、(マキノスミレ× フイリシハイスミレ)の自然交雑でうまれた
フイリシハイマキノスミレ【斑入り紫背牧野菫】と思われます。
右側はフイリシハイスミレですが、すぐ傍にマキノさんもたくさんいました。


【左: フイリシハイマキノスミレ          右:フイリシハイスミレ 】


フイリシハイマキノスミレを少しアップしてみます。
この株は葉裏は紫色でしたので、シハイスミレ寄りだと思われます。


【フイリシハイマキノスミレ】


その後も、フイリシハイマキノスミレと思われるスミレは姿、形を少しずつ変化させながら
登場するので息つく間もないほどです。

懸命に撮ってきたので、とりあえずズラ〜〜ッと並べてみました^^


花色が淡く、葉が尖ったタイプ ↓  こちらのは葉裏は緑色でしたので、花はシハイ、葉はマキノさんタイプ


【フイリシハイマキノスミレ】


目の覚めるようなビビットカラーのもの ↓ 

   
【フイリシハイマキノスミレ】


こちらは葉の裏が緑色でした ↓

  
【フイリシハイマキノスミレ】    



葉がより細長くなってきました〜  ↓ この辺りのものは葉裏がほとんど緑色でした。

         
【フイリシハイマキノスミレ】

         
【フイリシハイマキノスミレ】

マキノ寄り、フイリシハイ寄りのものとタイプはそれぞれ違っていますが、この山で見られる

典型的なフイリシハイスミレに比べると、微妙に変化しているのが面白いですね!


 

片親のマキノスミレも変異が多く、マキノスミレと一括りにして良いものか悩みます…

同じ山でこれだけの変化していく訳ですから、素人の私の手には負えない訳です^^;

 多彩な表情を見せる【マキノスミレ】の数々を並べてみました!!

 
【マキノスミレ】


          
        【マキノスミレ】       

        
 【マキノスミレ】

             
        【マキノスミレ】


       
                              葉の裏は緑色です。

タチツボスミレと並ぶとマキノスミレのサイズが分かりやすいですね^^   ↓

 
【タチツボスミレとマキノスミレ】

     



いかがだったでしょうか?それぞれ個性豊かなマキノスミレは^^

   


その他、霧訪山で見られた花です。

       
【アケボノスミレ】                     【 エイザンスミレ】

        
【ケタチツボスミレ】                     【 ヒカゲスミレ】

 

      
【センボンヤリ】                      【 オキナグサ】

霧訪山といえばオキナグサが有名でこの花を目当てで登ってこられる方が多いようです。
今年は開花が遅れていて、新鮮な花を見ることができました。
ただし、全員がうつむいたままなので下から覗きこんで撮影したにもかかわらず、うまくいきませんでした^^;


【オキナグサ】


大芝山の手前はニリンソウとカタクリのお花畑、谷底までニリンソウで埋め尽くされていました。
 
【ニリンソウ】

 

 

よく見ると、お花畑の中にはヤマエンゴサク、キバナノアマナ、ホソバノアマナ、ヒゲネワチガイソウなども咲いていて
時の経つのを忘れてしまうほど…

この日は帰路の渋滞が心配だったので、遅くとも12時には登山口に戻る計画だったのですが、
この時点ですでに10時50分、あと、1時間と少ししか残り時間がないというのに、その後も
次々に引っかかり、最後は猛ダッシュで駆け下りました。


【キバナノアマナ】

           
 【ホソバノアマナ】                         【カタクリ】       


      
【ヤマエンゴサク】                      【ヒゲネワチガイソウ】

山の神に戻ってきたのが12時10分、少しだけ超過しましたが、何とか当初の計画通り12:30には塩尻ICに
入ることができました。
しかし、岡谷、猿橋などで小さな渋滞は始まっており、最後の小仏では20kmの列に並ぶことになりました。

急ぎ足で回った霧訪山〜大芝山は小さいながら魅力あふれる山でした。

この他にも、咲き残りのイブキスミレ、ヒナスミレ、オトメスミレ、レンプクソウ、
フデリンドウ、ヒトリシズカ、エンレイソウ、ヤマブキなどが見られました。
 

                 

コイワザクラを求めて 【御坂山塊】 2012年5月17日

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あと一週間もすれば6月です!
うっとおしい梅雨の季節がもうすぐそこまで来ています…
爽やかな風が心地よい今の季節を大切にしたいですね!

17日、一人で出かけた御坂のお山ではたくさんのコイワザクラに出会え、ピンクちゃんを独り占めでした〜
アップダウンのある面白い山域なので、今度こそ山レポを書くつもりでポイントポイントで証拠写真を
撮っていたのですが…

コイワザクラの他にも思いがけず、こんな素敵なお花に出会ってしまったので、
今回もまた山名を公表することができなくなりまいた


その花とは、絶滅危惧種のユウシュンランです。

踏まれそうな登山道で無防備に咲いていました。


〜ユウシュンラン〜


朝はまだ蕾だったのですが、午後には見事に開いていまいた。




写真だと大きくみえますが実物は超ミニサイズ、草丈10センチほどの小さなランです。

 




   
この日はこのコイワザクラを目当てに登ったのですが、咲いていてもそれはほんの僅かだろと考えていたので、
見つけられるか心配でした。でも、それは杞憂に終わりました。
この山塊ではさり気なく普通に咲いていて、この花が絶滅危惧種であることを忘れさせるほど…
希少種のコイワザクラがですが、多くの人たちに優しく守られていることを嬉しく感じました。


〜コイワザクラ〜 

岩の隙間を埋めるように縦に横にと咲き並ぶコイワザクラの生命力に驚きました。

縦走路には幾つかの群生地があり、崩れそうな斜面いっぱいに咲乱き乱れています。
そのほかにも登山道脇に小さな株がポツンポツンとピンク色の可愛い花を咲かせていました。

このような厳しい環境に適応しながら咲いているからこそ魅力を感じるのですね〜 

以前、丹沢の山で出会って以来 4年ぶりの再会です。

それにしても、コイワザクラとクモイコザクラの違いって何だろう…?
葉の切れ込みに違いがあるようだけれど、どんなに見比べても未だに明確に識別できないままです。

可愛い姿を披露してくれて有り難う!!感謝感謝です

 

 

そして、清楚なヒメスミレサイシンも登山道を飾ります。
ヒメスミレサイシンは今年二度目ですが、こちらの山の方が花付きが良いですね〜

お目にかかることが少いヒメスミレサイシンですが、今年はこんなに大量に出会えて嬉しかったです^^

 

〜ヒメスミレサイシン〜

ヒメスミレサイシンはフォッサマグナ要素のスミレなので、生育場所が限られており、
なかなか出会えないスミレです。


 

〜ベニバナヒメイワカガミ〜



〜クサボケ〜

 

〜マメザクラ〜



〜ワダソウ〜


〜チゴユリ〜



〜クリンユキフデ〜



〜タチキランソウ〜




〜イワキンバイ〜

ツルキンバイだと思っていたのですが、別の画像で花茎に小葉が付いているのを確認したので
イワキンバイで間違いなさそうです。



〜ツルシロカネソウ〜

 

〜フデリンドウ〜




〜ウメウツギ〜


以前、丹沢で一度だけ出会ったことがあるウメウツギ、こちらも目にすることが少い花ですが、
足場の悪い岩場に点々と生えており、それぞれに白い清楚な花を咲かせていました。

やや遅めだったため、花は少し傷んでいましたが、下から覗きこみながら夢中でシャッターを押しました!!

〜イカリソウ〜



〜チゴユリ〜

〜エゾノタチツボスミレ〜

信州では普通に見ることができるスミレですが、山梨県では初めてでした。

 

〜オトメスミレ〜

手ぶれしてますがオトメスミレはあまり縁がないので載せま〜す^^;

 

この他、咲き残りのアカネスミレ、アケボノスミレ、タチツボスミレにも会えました。

特にアケボノスミレは、展開した葉が登山道沿いに延々と続き、最盛期の美しさを想像して溜め息が出ました。
今度はアケボノスミレの季節に訪れたいですね!

 この日の登山者は単独の男性と4人組の男性だけ、4人組とは抜きつ抜かれつしながらのプチ縦走でした。
低山でも単独だと少々心細いものですが、少しでも会話ができると安心できます。

その先まで縦走を続ける4人組とは途中で別れ、私は短縮コースを下り、
再び一人旅。



新緑のトンネルをくぐり、駐車場へと向かいました。






アポイ岳 【北海道】 2012年5月28日

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エゾキスミレ

 

 

一昨年、アポイ岳を訪ねた時は、例年にない寒さのため本来なら見頃を迎えていたはずの花々の開花は遅れに遅れ、
期待していたヒダカソウはおろか、エゾキスミレもヒダカイワザクラさえも全く見ることができませんでした。
おまけに、前日からの雨で、登山者は私以外誰もおらず一人っきりの寂しいものでした。
日程を一週間遅らせていたら…と深く後悔しましたが、それはそれで別の収穫もあり、そこそこ満足いくものでした。

が、やはり、花咲くアポイ岳に登ってみたいという願望は捨てきれず、様子を見ながら計画を進めてきました。
航空券の“早割55”を利用するために少なくとも二ヶ月前には手配をしなければならず、
実際には3月5日に航空券を予約しました。この時点で開花状況は運を天に任せることにして、
5月下旬をその日と決めました。
今年は寒さが厳しかったので一昨年よりさらに遅れる可能性があると考えたからです。

ところが、ところがです…情報収集をしてみると、今年は5月にはいるとすぐにエゾキスミレが咲き始めた、とか、
サマニユキワリが見頃とか、様々なサイトでいつもの年より開花が早いと書かれています。
下旬では遅すぎか…もう、気が気ではありません!散々やきもきし最後は諦めモードで出かけたアポイ岳、
さあ、どのような花が出迎えてくれたでしょうか?

 

前日は、アポイ山荘に宿泊し、朝6時30分からの朝食をしっかり頂いて登り始めました。

【コース】
アポイビジターセンター06:55----五合目小屋08:20----- 馬の背09:00-----トラバース分岐09:20-----アポイ岳09:55/10:10-----吉田岳11:10/20-----アポイ岳12:05/15------幌満お花畑12:35------トラバース分岐13:10-------馬の背13:25-------五合目小屋13:45------アポイビジターセンター14:50

  

 

【アポイ岳ビジターセンター】


ここから出発です。

曇天の予報でしたが、朝から太陽が眩しい絶好の山日和となりました。
朝7:00の空気は冷たく、ブルっと寒いですが歩き出せばすぐに汗が流れるのでシャツ一枚で我慢です。

新道との分岐となる沢で靴を洗い、いよいよアポイ岳へと入ります。
下りは二年前と同じように新道を使うつもりでしたが、新道は崩落箇所があり危険とのことで通行禁止となっていました。


エゾオオサクラソウの群落が目に飛び込んできましたが、すでに見頃は過ぎていました。
その先にもたくさん咲いているはずなので、写真は最小限にとどめ
先を急ぎます。
ニョイスミレ、タチツボスミレは見かけますが、フイリミヤマスミレは美しい葉をたくさん見るのみで
肝心の花は終わっていました。


【五合目避難小屋】



五合目からは展望が開け、眼下にはキラキラ光る海が見えます。

五合目までは樹林帯だったので涼しかったのですが、ここから傾斜がきつくなり直射日光をまともに浴びるので
一気に大粒の汗が流れます。
さっそくアポイタチツボスミレ、アポイアズマギクがお出迎え、期待が膨らみます。



【馬の背】



馬の背では、サマニユキワリのピンクに混じりチングルマの白が彩りを添え、紫のミヤマオダマキも開花していました。


トラバース分岐を左に取り、山頂へと進みます。



【八合目よりアポイ岳】



ここからは先は次々に現れる花々に見惚れ超超スローペース、傷み始めたサマニユキワリにも丁寧にカメラを向けていたのですが、標高が上がるにつれ新鮮な花が見られるようになります。
そして、何より会いたいと願っていたエゾキスミレの鮮やかな黄色にヒダカイワザクラも加わり興奮も最高潮です。

下りは幌満方面なのでここは通りません!
見落としのないようにキョロキョロしながら進み、山頂到着です。

【アポイ岳山頂】


二年前は雨で何にも見えなかったけど、山頂からは白樺の梢越し青い海が見下ろすことができました。

【山頂より:吉田岳〜ピンネシリ方面】


少し休憩したら、吉田岳に向けて出発です。


【アポイ岳山頂から吉田岳へ向かいます】

笹が足に触れるのでマダニに気を付けなければなりませんね!
下り始めてすぐに小さな赤黒い点がズボンの上を動いているのに気づきました。
もしや、これが噂の“マダニ”??と立ち止まって確認すると、まさにダニそのもでした。
今日は、ダニが目立ちやすいように淡い色の服装にし、雨でもないのにスパッツも
しっかり装着した完全防備なので安心です。


【馬の背方面】

先程通った馬の背がよく見えます。朝はくっきりだった水平線がぼんやり見えています!


【三角錐の吉田岳が近くなりました】



【アポイ岳を振り返る】



【眼下にチシマザクラらしき桜が見えます】



馬の背の花の多さに大興奮だったのですが、アポイ岳〜吉田岳の稜線では期待以上の花に迎えられました。
しかも、鮮度が格段に違います。何度も立ち止まってはカメラを向けるのでペースが遅くなるのは仕方のないこと、
僅かに立ち止まっただけでも、先を行く夫との差は広がるばかり…
そのたびに夫は根気よく待ってくれるのですが、私の方は、甘やかすと図に乗るタイプなのでキリがありません^^;


【吉田岳山頂】



見晴らしの良い山頂です。

吉田岳からの眺めは最高!!花よし展望よしの気持ちのよい山頂です。
アポイ岳から少しだけ足を伸ばせば満足度120%となること請け合いです^^
ただ、ダニには注意が必要ですね!ここで二匹潰しました!!



【ピンネシリへと続く稜線】



【幌満岳方面と幌満お花畑】


手前に見えているのが幌満のお花畑です。
かつてこの地にアポイ岳を代表する花「ヒダカソウ」が咲き乱れていたそうです。
しかし、2010年以降、登山道でその花を見ることはできなくなりました。
前回はヒダカソウに会いたくて早い時期にアポイ岳を訪問したのですが、花はありませんでした。
そして、昨年も今年も…
登山者にとって幻の花となってしまったヒダカソウが復活することを願うばかりです。



さて、お待ちどう様でした〜

では、では、アポイ岳と吉田岳で出会った花々をご紹介しま〜す!!


まず、アポイアズマギクです。


五合目〜馬の背〜アポイ岳までず〜〜っと咲いていました!

【アポイアズマギク】



    

アポイアズマギクは全般的に白色が多いですが、紫色もあります。




【チングルマ】

手前はサマニユキワリです。

 

【サマニユキワリ】 





 


中央の黄色はアポイキンバイ



サマニユキワリはユキワリコザクラの変種で、葉が細長く外側に巻いているのが特徴のようです。
しかし、アポイ岳には顕著なものばかりではなく、
両者の中間的なものから完全にユキワリコザクラのように葉が楕円形で基部が急に細くなっているものがありました。
最初は個体差と考えていたのですが、↓ は、ユキワリコザクラだと思われます。


【ユキワリコザクラ?】


 

      

 

【ヒダカイワザクラ】



イワザクラの名のごとく岩と岩の隙間を埋めるように咲くヒダカイワザクラ、先日、御坂の山で見たコイワザクラに比べると
大柄な印象です。

一枚目のヒダカイワザクラ ↑ 実は、中央部のい一部分だけを写したもので三枚の写真を繋げてみました。
全体はこんなに細長い岩の隙間に咲いていました。↓

  

 

サクラソウ好きは、何時間でも眺めていたい魅力的な花です。

 

 【ミヤマオダマキ】
 
5月だというのに、もう咲きはじめていました、早いですね!

 【チシマザクラ】  


チシマザクラの特徴の一つ「葉柄と花柄の毛」を確認したかったのですが、遠くなので諦めていたらすぐ近くにもありました。

ほら、ちゃんと毛があるでしょ^^   ↓

 【ハクサンチドリ】



【アポイキンバイ】

 

   

 


アポイキンバイは、アポイ岳の峰続きのピンネシリ岳、幌満岳の他、
日高山脈北部のチロロ岳のかんらん岩に生えると図鑑に書かれていますが、私たちが見たのは吉田岳に続く稜線沿いでした。

光沢のある葉は深く切れ込んでいるのが特徴です。

 

【アポイタチツボスミレ】

    

    

 

 
アポイタチツボスミレは、かんらん岩、蛇紋岩地に咲くアイヌタチツボスミレの変種。
葉の光沢が強く裏面は紫色をしています。

 前回は探すのに必死だったけれど、五合目より上では苦労することなく見つけることができました。

 




そして、そして、今回一番会いたかったスミレです。

【エゾキスミレ】


遠くで、ミヤマオダマキ、ホソバトウキと混生しています。

 

 

 

 エゾキスミレは、超塩基性岩場の砂礫地に特産すると図鑑に書かれています。
鋭く尖った分厚い葉が特徴です。


三種類目のサクラソウは、アポイ岳で一番目に付くこれです。

【エゾオオサクラソウ】 

 

 エゾオオサクラソウはアポイ岳に入るとまず迎えてくれる花です。
入り口付近はやや見頃を過ぎていましたが、山頂でも見ることができます。
特に、トラバース道の群生は見事で、登山道の山側、谷川の両脇を飾っていました。


 【アポイシモツケ エゾシモツケ】

マルバシモツケと思って何気なく撮った一枚、後で画像を確認すると見たことがない葉…
アポイ岳だから「アポイシモツケ」と単純に考えたけれど、図鑑に載ってるアポイシモツケは葉に鋸歯があります。
柔らかそうな全縁の葉、これはいったい…何だろう?こんなことならもっと何枚も撮っておくんだった〜〜

※やはりアポイシモツケでなく正解はエゾシモツケでした!!(汗)
彩さん、お調べ下さって有り難うございましたm(_ _)m

 【ヒロハヘビノボラズ】

早池峰山、尾瀬の至仏山など蛇紋岩の山で必ず見かけますね!




【キジムシロ】




【フデリンドウ】


【エゾムラサキツツジ】



【アポイハハコの葉】

 【マダニ】



アポイ岳はマダニが生息するので注意が必要です。
アポイ岳〜吉田岳間 、幌満お花畑からのトラバース道に多くいるようです。
トラバース道を抜け分岐でダニチェックをすると、二人に付いたダニは計10匹ぐらいでした。
私たちは素肌が出ないようにしていたので、大丈夫でしたが、中には半袖、短めのパンツの方もいて,人ごとながら心配になりました。
マダニは、ライム病という恐ろしい病気を媒介するらしいので、噛まれないように注意しなければなりません。

ま、噛まれなければ心配いらない訳で、必要以上に臆病になることもないですね!!

そんなことより、低山ながら美しい高山植物に会えるアポイ岳の魅力は計り知れません!
今回は、念願のエゾキスミレ、ヒダカイワザクラ、満開のサマニユキワリに会えて大満足でした!!
季節を変えて何度でも訪れたくなりますね〜
遠すぎて何回も行ける訳じゃないけど…σ(-_-;)

周辺も絡めて効率良く回ると、本州では出会えない植物にたくさん会えて、
北海道の大自然を満喫できますね!

前日は、オオバナノエンレイソウ狙いで判官館森林公園に立ち寄ってみたら
サクラソウがちょうど見頃でした。
また襟裳岬では、エゾエンゴサクが一面に…北海道の素晴らしさを改めて感じた次第です。

翌日の伊達紋別岳のシラネアオイも圧巻でした!

いつになるかわからないけど、ぼちぼちアップしていきます

 

伊達紋別岳【北海道】 2012年5月29日

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アポイ岳の翌日はシラネアオイが咲き誇るという伊達紋別岳に登ってきました。
北海道二泊三日の最終日、千歳発が18:30なのでレンタカーは17:00に返却予定です。
紋別岳下山後にも立ち寄りたい場所があるので、あまりのんびりできないのに、
朝食をいただいたのでスタートが遅くなり、相分からずのドタバタ珍道中でした。



前日の宿泊地「休暇村支笏湖」ではちょっとしたトラブルがあり、冷や汗ものでした。
なんと、予約の日付を一日間違えて申し込んでいたらしく「◯○様のご宿泊は明日になっていますが…」とのこと。
部屋が空いていたので事なきをえましたが、とんだドジっぷりですね〜情けないです。トホホ

でも、快く対応してくださった休暇村のスタッフの方に感謝しなきゃですね^^。

温泉で汗を流し、早めに就寝、この日はぐっすり眠れました
…が、悲しいことに目覚めると外は無常の雨天気予報が大当たりです!!
 
出発前に上下とも雨具に身を包み07:50に休暇村を出ました。
(当初は、朝食抜きで行動開始のつもりでしたが、天気がパッとしないので朝食をガッツリ頂いて遅い出発です。)
ところが、伊達市方面へ西へ西へと移動していくと、次第に空が明るくなり、伊達ICを下りるころは
曇り空ながら雨は落ちていません。
なんと有難いことか…今日は、一日中雨ガッパを覚悟していただけに嬉しい曇り空です。



【コース】

太陽の園09:35----- 七合目10:50-----前紋別岳11:20/30-----
紋別岳11:50/55-----いっぷく広場12:45/13:00------太陽の園13:50

         


登山口の太陽の園は伊達ICから10分もかからない分かりやすい場所にあります。

 

身支度を整えてさっそく登山開始
タチツボスミレやアカネスミレが目につきますが、いずれも時期が遅くお疲れ気味の花ばかり…
一株ぐらいは綺麗なものが残っていないか探しているうちに植生は変わっていきました。


登山口からいきなりの急登を耐えると一望台という見晴らしの良い(はずの…)

一望台


帰りの頃は、雲が晴れて遠くまで見渡すことができると信じて…




《スズラン》

そろそろ花芽が上がってきているものもありました。


めまぐるしく変わるお天気ですが、爽やかな風が心地良く、足取りの軽やか!
とは言っても、可愛い花を見つけるたびに急停止の連続ですけど…^^;



 《コキンバイ》
 



《オオタチツボスミレ》




美しい白樺林を歩くと身も心もリフレッシュ!!深呼吸したくなりますね!





うっすらと紅色をこすったような花弁のエンレイソウが咲いています。
この時は名前が分からずにいましたが、
ムラサキエンレイソウ、またはベニバナエンレイソウというのだそうです。

《 ムラサキエンレイソウ》 


後ろ姿です。



紋別岳にはシロバナノエンレイソウとエンレイソウが咲いているので、
両者の交雑なのではと考えていましたが、ムラサキエンレイソウはシロバナエンレイソウの変種とのことです。


《シロバナノエンレイソウ /   エンレイソウ》
    

ルイヨウショウマは初めましての出会いです。 深い森によく似合う清楚で控えめな花です。

 《ルイヨウショウマ》


《クルマバツクバネソウ》
 

 《ハクサンチドリ》

ハクサンチドリの多さは驚きでした!
淡いピンクから濃い紅紫色まで登山道に彩りを添えていました。


《トカチフウロ》




《アイヌタチツボスミレ》

 

  


アポイ岳で、アポイタチツボスミレを見てきたばかりですが、
こちらでは母種であるアイヌタチツボスミレを見ることができて、両者の違いを理解できました。(多分…^^;
アポイタチツボの照りのある小さめの葉に対し、アイヌタチツボの葉は大きく、タチツボに似た雰囲気でした。
アイヌタチツボスミレは岩木山で出会って以来、一年ぶりの再会です。

ただ、傷んでいるものが多くその中から、被写体を見つけるのに苦労しました。
あと一週間は早ければ選り取りみどりだったことでしょう!!


《ノウゴウイチゴ》

ノウゴウイチゴが可愛い実をつけていました。もうじき赤く色づくことでしょう!
昨年、北アの朝日小屋の前で真っ赤に熟したノウゴウイチゴを食べてみたのですが、
それほど甘くなかったです^^;ここのは美味しいかな…


 《ミヤマアズマギク》
 

       
咲き始めで綺麗でした!!




 《ユキワリコザクラ》 

数は少なめですが、淡いピンク色のユキワリコザクラに何とか間に合いました!
ちょうどこの時期に道東の岬にユキワリコザクラが群生している場所があるようですが、
いつの日か訪れてみたいです。 

 



《ミヤマオダマキ》



        


そして、今回の一番狙いのシラネアオイは真っ盛りを迎えていました。

 

 


白花も見つけましたよ!!  



登山口近くから山頂付近までどこまでも続くシラネアオイロードは圧巻です。
そして、白花に出会えたのはラッキーでした。
日本的で優雅でしっとりと美しいシラネアオイって、本当にすてきです。


《紋別岳山頂》 


たくさんのお花たちに出会えた伊達紋別岳ですが、展望がないので写真を撮ったらさっさと下山です。




平日のこの日は静かなもので、私たちの他は誰もいません。
と、思ったら、霧の彼方から風に乗って賑やかな声が聞こえてきました。
聞けば、札幌からの20名余りの団体さんでした。

団体さんのほかは、単独の男性が二人と親子連れが一組、この方々は山頂は踏まずに下山されていきました。
たぶん、地元の方で、もっと展望の効く日に登ることが可能なのでしょう!

私たちは、ピストンなので帰路もシラネアオイを鑑賞しながら、
歩きやすいフカフカの登山道を駆け下りました。

低山ながら花の多さは際立っていて、満足いく山歩きができたことに感謝しながら次なる目的地へと向かいました。、

 




帰りの飛行機まで少し時間ができたので、途中「ポロト湖」に立ち寄りました。
ポロト湖は周囲4kmほどの湖で周辺は植物の宝庫と聞かされていたのですが、いざ立ち寄ってみると
どこをどのように回ればよいのか途方にくれました。
何しろ、時間が限られていてゆっくり散策などできない訳で、、、、

そんな時、シロスミレを見つけました!!



サクラスミレもあるようですが、広い湖畔のどこを探せばいいのか…

そこで、野鳥観察の方に声を掛けてみたところ

サクラスミレはもう終わっているので、「ヨコスト湿原」に行ってみたらと勧められました。

ポロト湖からほど近い海岸にある湿地です。


ハマナスが生い茂る海岸、花の季節はまだ先ですが、
そこで、なんとイソスミレに出会ってしまいました。


《イソスミレ》


雨に打たれて、うなだれていますが、かねてより会いたいと願っていたイソスミレ、
狙っていた訳ではないのに思いがけないご対面と相成り、大収穫となりました。

《ハマハタザオ》

ハマハタザオは一昨日の襟裳岬でも見ることができました!!


《ハマエンドウ》

一際目立つ、紅紫色のハマエンドウが海岸で散見できます。


そして、最後にもうひとつスミレちゃんです。



《スミレ?》

    
海岸の草むらの中でひっそり咲いていたスミレ、
葉には翼があるのでスミレ(マンジュリカ)だと考えたのですが、とっても美しい色で側弁には毛があります。
時間が足りなくて、気持ちも急いていたので、またまたポイントを押さえる写真がありません。
って、いつも言い訳ばかりです^^;



急ぎ足で回ったポロト湖周辺もまた時間をかけてゆっくり散策すれば、色んな発見あること間違いなしです。

後ろ髪を引かれながらヨコスト湿原を後にし、新千歳空港へと車を走らせました。


 





 

 

 

判官館森林公園、襟裳岬ほか【北海道】 2012年5月27日

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ソラチコザクラ 

 

 日にちが前後しますが、北海道初日に出会った花々をご紹介します。

       

 

 ◆判官館(ハンガンダテ)森林公園

二年前は咲き始めだった「判官館森林公園」のオオバナノエンレイソウですが、今回はほぼ終盤でした。
入れ替わるように咲いたサクラソウのピンク色が、
静まりかえった森の中で華やいだ雰囲気をかもし出していました。
平日とはいえ、こんな綺麗な花々が咲き競っている広〜い森林公園内に人影はほとんどなく、
小さな女の子を連れた親子連れとすれ違っただけの静かなものでした。

一面に広がるオオバナノエンレイソウを想像していたのですが、最盛期は一週間前ぐらいだったのでしょうか…?
それでも、ところどころで開いたばかりの新鮮な花を見つけ、北海道ならではの光景に感嘆の声をあげるのでした!!

 

  《オオバナノエンレイソウ》

 

 木漏れ日を受け、気持ちよさそうに咲いているサクラソウは自然と一体化して野性味にあふれていました。

 《サクラソウ》

 

       

 

 ◆ソラチコザクラを求めて

咲いていそうな林道を奥へ奥へと歩く歩く歩く…それでも、なかなか見つけることができず、やはり時期が遅かったかと諦めかけた時、崩れそうな崖で、それらしき花が目に止まりました!!
「あった〜〜^^;」と大声を出したことは言うまでもありません。
ソラチコザクラは、5月の初旬が見頃とのことですから、当然のことながらわずかに花が残る程度でした。
それでも、見られただけで十分に嬉しかったです!

《ソラチコザクラ》

 
岩壁を覆うソラチコザクラ、満開の時はどれほど美しかったことでしょう!!

 

ソラチコザクラは、想像していたピンク色より若干青みがかったように感じるのは、終盤だったせいでしょうか?

 湿り気のある薄暗い環境がお好みのようです。



崖が崩れ、真新しい土が覆いかぶさったその下は、ソラチコザクラが群生していたのかもしれません!
難を免れた所で、一株だけ新鮮な花を見ることができました。

 

 

 
ソラチコザクラを求めて歩いていた時、偶然にハナシノブを見つけました!
ここは日高だから「ヒダカハナシノブ」に違いない!いつもの通り、単純な思い込みなのですが、
ツンと尖った花弁、花茎には毛がほとんどないので
ヒダカハナシノブで間違いないのではと思いますが、いかがでしょうか?

 《ヒダカハナシノブ》

 

お次は、オオサクラソウです。

アポイ岳に咲くエゾオオサクラソウには葉柄に軟毛がありますが、
ここで見たものは小ぶりで花茎は無毛ですので、
オオサクラソウだと思います。
 

 《オオサクラソウ》

 




そして、どこを歩いても一番目についたのがコンロンソウです。
清楚な白花は、好きな花のひとつなのですが、あまりに多すぎて、ついおざなりにしてしまったようです^^;

《コンロンソウ》



《ヤマハタザオ》?

このあと、一刻も早く携帯の繋がるエリアに移動しなければならない事情ができ、
慌ただしい散策でしたが、ソラチコザクラに無事に会えて、今回の大きな目的を果たせてホッとしました。

 

      


 
太平洋を右に見ながら車を走らせていると明日登るアポイ岳が迫ってきました。



吉田岳とアポイ岳を繋ぐ稜線もくっきり見えて、いよいよ明日、憧れの花たちに会えるという実感が湧いてくるのでした。

花めぐりをしていると時が立つのを忘れてしまい、気がつくともう午後5時を過ぎています。

 
でも、でも、せっかくなのでもう一箇所どうしてもた立ち寄りたい場所があるのです。
そこは“何もない”と歌われたあの岬です。



      



◆襟裳岬


宿泊予定のアポイ山荘を素通りして襟裳岬まで足を伸ばすことにしました。

夕方の襟裳岬は冷たい風が吹き付け、かなり冷えます!!

夕方の海辺はウィンドブレーカーを重ね着しても寒さが身にしみるので、記念撮影だけのつもりでした…

ところが、なんとそこはエゾエンゴサクが群れ咲き、さながら青い絨毯を敷き詰めたような光景が広がっていたのでした。



《エゾエンゴサク》


 

 

 

 



このほかにアズマギク、ハマハタザオ、などが咲く襟裳岬、はるばるやって来た甲斐がありました。

《アズマギク》



《ハマハタザオ》
  


《エゾイヌナズナ》
  

襟裳岬では、ハマハタザオとエゾイヌナズナの両方を見ることができました。
似ているようでどことなく違うと感じながらも、エゾイヌナズナをハマハタザオと表記していました(汗)
間違いを訂正し、画像を新たに追加しました。
ご指摘してくださった宮本さん、ありがとうございました

 

西に目を向けると空が赤く焼けはじめ、遠くにアポイ岳の輪郭が浮かび上がっています。
 

《右奥の山がアポイ岳です》
  

このまま、水平線に沈む夕日を眺めていたい気分ですが、
明日のお天気が続きますようにと祈りような気持ちで襟裳岬をあとにしました。 

 

源氏山 【山梨県】 2012年6月7日 

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 コミヤマカタバミ



以前から気になっていた源氏山に登ってきました。

源氏山は、南アルプスの前衛峰となる櫛形山の隣に位置する標高1,827mの山です。

 
【丸山林道と池の茶屋林道分岐】

右へ曲がれば櫛形山の登山口へと通じる「池の茶屋林道」です。
源氏山方面はゲートが閉まっているのでここに車を停め歩くことになります。
標高差は僅かの楽々登山です。



【冬期閉鎖中の林道】

車が通っても差し支えなさそうな立派な林道ですが「冬期閉鎖中」です。今は6月ですが、いつまでが冬期なのかしら…^^




【砂利道の林道入口】

10分ほど進み、さらに左折し砂利道の林道を歩きます。



【南アルプス方面】

林道から雪を被った南アルプスがチラッと見えましたが、すぐに雲に隠れてしまい、山の名前は確認できないままでした。


【源氏山登山口】

ゆっくり歩きなので、出発からここまで35分かかりました。
後で気がついたのですが、林道に並行して登山道もありました。
しかし、復路の登山道入口(出口)には通行禁止のロープが張られていたので、帰りも仕方なく林道歩きです。


【帰路で見つけた道標】

時間がぶっ飛びますが

砂利道の林道入口近くまで戻ってくると、この立派な道標が立っていました。
往路ではこれを見落として、林道を歩いたのですが、不思議なことにこちらの入り口はロープなどなくて
開放されているのでした〜
ということは、普通はこちらを歩くはずですよね^^

ここから登山道に入っていたら、別の花も見つけられたかも…ちょっと残念

でも、いいのです!!


      

 

林道沿いでは、シロバナノヘビイチゴが今を盛りと咲き乱れ、
日影に入るとラショウモンカズラの紫とツルキンバイの黄色とのコントラストが鮮やか、
右に左にキョロキョロしながらの林道歩きは意外に楽しいものです。

    
ラショウモンカズラ / ヤブウツギ

 
登山道に入ってからは、お目当ての花を探すのに必死
でも、なかなか見つかりません…

 


ベニバナエンレイソウ

先日、北海道の伊達紋別岳で出会ったばかりのベニバナエンレイソウ(ムラサキエンレイソウ)と、
こんな近くの山で再会できるとは思ってもいませんでした。
これまで気づかなかっただけなのでしょうか?
このあと立ち寄った、櫛形山の登山口となる池の茶屋の案内板に「ベニバナエンレイソウ」の紹介がありましたので、
この山域での特産なのかもしれません。
いずれにしても北海道と山梨県で立て続けに見ることができて感激でした^^;

 


ルイヨウボタン



   
ミヤマハタザオ /  ミヤマハコベ

 

ミヤマカタバミ

    
ウスギヨウラク


ウスギヨウラクが少しだけ咲き残っていました。沢山の花を期待していただけにちょっぴり残念!!
時期が遅すぎたようです。でも、会えただけでも良しとしましょう!!

 

   
ヤマイワカガミ /   サナギイチゴ

同じ白色でも、秋田駒ケ岳や鳴神山で出会ったイワカガミは、ヒメイワカガミだったので、ヤマイワカガミは嬉しい初見です♪
ピンクのサナギイチゴ(猿投苺)も可愛いですが、白も可憐ですね!!

   
サンカヨウ / イワセントウソウ

雪深い地方で出会う機会が多いサンカヨウがヒョッコリ現れてびっくり!!
登山口が1700mと標高が高いので、あまり歩かなくても高山植物に出会える訳で、不思議な感覚です。

さて、お次は何が登場するのかと楽しみです!!


昨年はこういう雰囲気の中で、あの花に出会えたのでした。  

そうそう、こういう苔むす原生林に咲くのよね〜
この辺りにきっと…



と、思ったら…なんとあっさり源氏山の山頂です。

 


【源氏山山頂】

源氏山は鬱蒼とした原生林の中にありました!突然の山頂だったのでやや拍子抜け、
結局、目的の花は見つけることが出来ないまま下山です。

 


タケシマラン 

登りでは、下ばかり見て気づくことがなかった樹の花も次第に目に付くようになります。


キバナウツギ

 黄色のウツギです。



キバナウツギ 

東北や北海道に咲く、ウコンウツギより色が地味で森の緑と同化しているように見えました。


せっかくだから、大峠山までピストンすることにします。 


コヨウラクツツジ

咲き残りながら、大峠山への道沿いには沢山のコヨウラクツツジ、最盛期はきっと見事だったことでしょう!!


大峠山山頂

タチツボスミレしか目に入らなかったのですが、ここでミヤマスミレに出会いました!
やはり、この深い紫色はスミレ好きにはたまりませんね^^

   
ミヤマスミレ /  ツルシロカネソウ 

 


ミヤマスミレ

ミヤマスミレのあのうっとりするような紫色を私の腕では再現できないのが残念です。
PENTAXならまだまだマシだったかも…
いぜれにせよ、腕が足りない訳で、修行あるのみです^^;

 


ツルシロカネソウ

 


ツルシロカネソウ

大好きなツルシロカネソウ、透き通るような白い花がそこらじゅうに咲き乱れ、嬉しい悲鳴です。^^
今年はこの花に縁がありますね\^∇^/



タチツボスミレ

ず〜っと咲いているタチツボスミレなので一枚ぐらいとシャッターを切りました^^;


コミヤマカタバミ

ピンクの模様がくっきりで綺麗ですが、辺りが暗すぎて閉じかけていますね〜


ルイヨウショウマ

この花も北海道の伊達紋別岳でお目にかかったばかりですが、ここで出会えるなんて驚きです。
よく見ると、花をつけていない葉があちこちにあるので特に珍しい花ではなさそうですね!
これまで時期が合わなかっただけかも…

  
ワチガイソウ /  ホソバノアマナ

 お馴染みの花たちも…


ミツバツツジ

 


ニワトコ

 

結局、お目当ての花は見つけられないまま駐車している分岐に戻ってきました。

気をとり直し、櫛形山方面に行ってみましょう!!
時刻は午後一時なのでまだ余裕です。







林道を走ること5分で櫛形山の池の茶屋方登山口に到着です。
櫛形山へは、県民の森から二度登っていますが、こちらからは登ったことがありません!!
まだ午後一時過ぎなので急げば櫛形山へのピストンは十分可能です。
しかし、午後五時には帰宅しなければなない事情があり、帰りの渋滞なども考慮するとちょっと心配…。
平日なので中央道の渋滞はないと思うのですが、万が一事故渋滞なんてことも…

と、あれこれ考え、

ま、いろいろ欲張ったらキリがないので、周辺の散策だけで我慢しましょう!!
車に残るという夫を置いて、ひとりで散策に出かけました。

 そして、見つけたのがこの花!!ピンクがコミヤマカタバミです。

 


コミヤマカタバミ

こんな可愛いピンクのコミヤマカタバミを見つけられて嬉しくて思わず笑みがこぼれます
本当に可愛くて可愛くて!!ワタクシかなり興奮いたしました^^
日が影っていて、花が閉じかけているのでチョッピリ残念ですが、それでもめちゃめちゃ可愛いです!!

  
ツバメオモト /  エゾノタチツボスミレ

今の時期、ツバメオモトをあちこちで見ることができました。

 

 
オトメスミレ

 


キバナウツギ

 こちらでも、キバナウツギが咲いていました!!

 


シロバナノヘビイチゴ

ず〜っと付き合ってくれたシロバナノヘビイチゴもカメラに収めましたよ!

 
アイヅシモツケ


マルバウツギ

マルバウツギの特徴は、花序の下の葉が心形で無柄とのこと、ありゃ、花序の下の葉が写ってないです(汗)


ササバギンラン

 
目的の花は見つけられなかったけど、可愛いピンクのコミヤマカタバミに会えて最高でした!!
ただ、この時は軽い気持ちで散策に出かけたのでマクロレンズは車に置いたままでした。

帰宅後、調べてみると櫛形山では割とピンクのコミヤマカタバミが多いとのことです。


      

なので、後日(4日後)櫛形山に出かけました(6月11日)
我ながら少々度が過ぎていますね(汗)

しかし、あのピンクのコミヤマカタバミはすっかり姿を消し、
標高の高い場所で探してもこんな感じで、すでに終わっていました。


やはり、花との出会いは一期一会なのです。

そして、あのオトメスミレも昨日の雨に打たれ、弱っているのでした。
 
オトメスミレ

季節の移ろいは早いですね!


4日前は丸い蕾だったミヤマザクラが満開となり、気落ちした私の気持ちを明るくしてくれました。


ミヤマザクラ

6月はあれこれと見たい花が多すぎて、どこを優先するか迷ってしまいます。
お目当ての花に会えなくても山を歩けば必ず嬉しい出会いがあるものですね!

たぶん、来年もピンクちゃんに会いたくなるだろうな…

次は下から(県民の森)から歩いて、足腰鍛えなきゃなりませんね〜^^; 

富士山周辺で野生ランを探す 【御坂山塊&富士山麓】 2012年6月14日

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カモメラン 



うかうかしていたら、6月も今日を含めて5日しか残っていません!
ブログの更新が追いつかず、今更感は否めませんが、フクシアさんと二度目のバッタリがあったり、
キレンゲショウマさん とご挨拶ができたあの感激を忘れないうちに富士山周辺で見つけたランとその他の花々をアップしておきます。
 
     

6月14日、梅雨のこの時期に、くっきりとした富士山を間近に眺めることができるとは、思ってもみないことでした。
やはり富士山を拝めると得した気分になりますね!
久々の予報の木曜日、このチャンスを逃すまいと早朝から大勢のカメラマンがシャッターチャンスを狙ってたようで、私が登りはじめた午前八時半ごろには早くも下山する人がちらほら…


富士山の雄姿を横目で見ながら私は直進あるのみ、狙いはズバリ“カモメラン”です。

 




愛らしいカモメランを求めて登る途中で、この時季ならではの植物に出会えました。


まず、目についたのがヤマツツジの鮮やかな朱色、まだほとんどが蕾でしたが、木によっては真っ盛りのものもありました。

     
ヤマツツジ  /   ツリバナ


 
この稜線ではトリガタハンショウヅルが咲くという情報を入手していたので、注意深く探しながら歩きます。
淡い緑色の目立たない花なのでうっかり見逃しがないように…


トリガタハンショウヅル


ベニバナツクバネウツギ


樹の花やつる性植物に目を向けると、つい足下が疎かになります。
この日もぬかるんだ登山道で危うく滑って転びそうになりました。
やはりストックがあった方が安心なので、ザック横から取り出しました。

こんな時一人だと、見落とした植物もたくさんあるんだろうな〜〜
おっと〜!この白い蕾はクサタチバナかな?
あとちょっとで開花しそうなのですが、残念です。

     
クルマバツクバネソウ /  クサタチバナ


ツクバキンモンソウ

      
ウマノアシガタ  /  ヤグルマソウ


   


ユキザサ




トウゴクミツバツツジ



ニワトコ

 

そして、ついに憧れのカモメランに出会うことができました。 
もちろん、初めてです!!想像どおりの可愛い姿に思わず頬が緩みます
群落という程ではありませんが、狭い範囲にかたまって咲いているのです。

       

     

 
       

 

 



カモメランを撮影中、ブヨなのか黒い虫の大襲撃に遭いました。払っても払ってもしつこく追い回され、
黒い集団が顔を中心に体中にまとわりつくありさま、あまりの数に撮影どころではなくなり、
急いで防虫ネットを取り出そうとするのですが、あっという間にブヨに取り囲まれ、取り出すことすらできませんでした。
仕方ないので慌ててその場を去りましたが、後で考えてみると貴重なカモメランをブヨが守っているのかもしれないですね!
でも、ブヨさん、私は盗ったり踏んだりしないのでどうか安心してね!!
また来年も、愛らしい姿を見ることができますように…






ラショウモンカズラ


ツルシロカネソウ


グンナイフウロ 


グンナイフウロ

 


マイヅルソウ


カマツカ


        


場所を移して、富士山の麓までやってきました。
お次の狙いは、コアツモリソウなのですが小さくて目立たないランのため見つけられるか心配でした。

場所も特定できず、とりあえず当たりをつけた場所を一周してみることにしました。


暗く苔むす富士山の樹海は、行き交う人もなく不気味で足がすくみます。

でも、こういう場所をコアツモリソウは好む訳で、慎重に下を見ながら歩き、時には脇道に入ったりしながら探したのですが、
いつの間にか明るい登山道に出てしまいました。



  

ミツバツチグリ

 


ツマトリソウ


コナシ(ズミ)


コナシ(ズミ)


シロバナノヘビイチゴ


アズキナシ


二時間余り、ウロウロしたのですが結局見つけられず、意気消沈して車に戻りました。
これといった情報もないまま、コアツモリソウを見つけようと考える方が所詮無謀というもの…
今日は諦めて、次回もう一度トライしてみようと考え直し、車のエンジンをかけました。
はたと考えてみると、朝おにぎりを一個食べたっきり何も食べていないことに気づき、帰る前に少しだけ
腹ごしらえをしようとおにぎりを頬張った、その時…

向こうから女性の声が…
これまで、人っ子ひとりいない淋しい森で心細い思いをしていたので、人の声が聞こえるとそれは嬉しいものです
見れば、お二人とも首からカメラを下げています。
(間違いない!あの人たちの目的は私と同じだ!!)と妙に確信を持つのでした。
そして、すがるような思いで、「あの〜〜ありましたか?」と主語なしで駆け寄りってみてビックリ!!

見覚えのあるそのお顔はなんとフクシアさんでした!
奥武蔵の山で偶然出会って以来二度目のバッタリに、本当に驚き、嬉しさがこみ上げてきました!!

そして、フクシアさんとキレンゲショウマさんに案内していただき、めでたくコアツモリソウに出会うことができました。

本当にありがたくて、感謝してもしきれないほどです。

初めて見るコアツモリソウは小さくて可憐で何とも言えない気品がありました。


こんなに深々とお辞儀をしているので、写真に撮るのは難しいですね!


少しだけお顔が見える個体もありました〜


お、なるほど、小さくてもアツモリソウの顔をしてますね^^

 


こんなに小さいです。


そしてそして、自力では100%見つけることができないコフタバランも教えていただきましたよ^^
高さ10cmほどの目立たないラン、ここにあるはずだ!と場所が分かっていても目を凝らさないと見つけることができません。
思いがけず、こんな貴重なランにもお目にかかることができるなんて、本当にラッキーでした。


コフタバラン


フクシアさん、キレンゲショウマさん、本当に有り難うございました!! 
お陰様で無事に目的を達成できました。

あのタイミングでお二人と出会ったのはきっと神様の思し召しと、にわか信者になる私でした^^;

 

※明日から一週間ほど留守にします。←やまそだちさん風に書いてみました

知床連山縦走 【北海道】 2012年7月1日〜2日<その1>

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6月27日から7月3日まで北海道に行ってきました。

6月27日 羽田→新千歳空港 レンタカーで夕張山荘へ…
6月28日 夕張岳
6月29日 芦別岳
6月30日 ニペソツ岳
7月1日〜2日 羅臼岳〜硫黄山の縦走
7月3日  知床五湖巡り、小清水原生花園、屈斜路湖 女満別→羽田空港

まさに休みなしで北海道の山を駆け巡った怒涛の一週間でした。
前半に登った三座は、カンカン照りで北海道とは思えない暑さに参りました。
そして、7月に入った後半の縦走一日目は、気温は高いものの心地良い風が吹き抜ける山日和に恵まれ気分も爽快、
しかし、午後からはその風が次第に強くなり、テント場ではゴォーゴォーと響き渡る不気味な音に不安を感じ、眠れないまま朝を迎えました。
翌日は、案の定、強風と霧雨で視界不良の最悪のコンディション…
この日はシレトコスミレに出会う大切な日なのに…です(涙)
カメラを濡らしてしまっては元も子もないので、その時までカメラはザックの奥に仕舞いこんで出発しました。
そんな状況でしたので、縦走二日目はシレトコスミレ以外の写真はほとんどありません。

帰宅後は野暮用に追われ、写真の整理もおぼつかないまま一週間が経過してしまいました。
北海道紀行は、本来なら時系列で夕張岳から山レポを書きたかったのですが、縦走二日目は悪天候と不明瞭な道に悪戦苦闘、写真もほとんどないので、記憶が薄れないうちに記録だけでも残しておこうと思います。
とはいえ、もう一週間が過ぎてしまい、鮮度は落ちてしまいましたが…^^;

 



羅臼岳〜硫黄山縦走 

【コース】 

7/1(日) 木下小屋(6:30) → 弥三吉清水(8:00/10) → 銀冷水(9:00/30 )→ 羅臼平(10:05/25) →岩清水(10:40/50 )→  羅臼岳山頂(11:15/30) → 羅臼平(12:10/30) → 三峰キャンプ場(13:05) → サシルイ岳(13:45/55) → オッカバケ(15:20 )→ 二ツ池キャンプ(15:35)

7/2(月) 二ツ池キャンプ場(6:30) → 南岳 → 知円別岳 → 第三火口 → 硫黄山頂(12:40/50) →  沢出合 → 新噴火口 →  登山口(17:10) →(熊に遭遇)→ カムイワッカ(17:50)



     

 7月1日(日)


前日はニペソツ岳を下山後、三国峠を越えて知床との中間点の美幌ユースホステルまで移動する。
開店休業状態のユースの宿泊者は私たち二人きり、6人部屋をゆったり使わせていただく。
二人のためにお風呂を用意していただき、さっぱりした後、コンビニで調達したビールで乾杯する。

3時半に起床して知床に向けて出発!東に向かうと、まんまるの真っ赤な風船が空に浮かんでいるような太陽が真正面に見える。
こんなに綺麗な太陽を見たのは生まれて初めてかもしれない…


5時40分、羅臼岳の山開きに当たるこの日、登山口は「ホテル地の涯」の下の道路まで車で埋まっていた。

日曜日の今日は、さすがに登山者が多い、隙間を見つけ、縦列駐車する。

道路わきの車と車の間でお湯を沸かしカップうどんで朝食を摂り、木下小屋へ向かう。
ちょうど環境省の方々が数名おられ、木下小屋で携帯トイレを購入したついでに、縦走路の状況、水場のことなど伺う。
聞くところによると、、水場は弥三吉清水をはじめ、岩清水、各雪渓が多く残っているので心配ないが、
昨日の土曜日は三ツ峰周辺で熊の親子を見かけた人がいるので注意するようにとのこと。

昨日は縦走を諦めて戻ってきた人がいたそうな…にわかに緊張が走る!!
熊スプレーの持参を勧められるが、使い方がわからないし、とっさに対応できるか疑問なので辞退する。
最後に、「サシルイ岳の雪渓を下り過ぎように注意して下さい!」とアドバイスを受け、6時30分に出発。



      
ミヤマハンショウヅル  /    ヤマハナソウ



昨日までの疲れと、重いザックが肩にずっしりと堪えピッチは上がらない。 
ヤマハナソウを見つけ、写真に収めるもボケボケ^^;



私たちは遅い出発なので、登山者はほとんど見かけない、たぶん遥か先を歩いているのだろう!

 

    
チシマフウロ   /  ヒメイチゲ

この一帯はアリを狙うヒグマがたびたたび目撃されているらしい。休みなしで先を急ぐ!!



むむ、これはヒグマの糞か…

コミヤマカタバミ、ヒメイチゲ、ミヤマスミレなどを見ながら一歩ずつ…


オオバスノキ

登山口から1時間30分 、弥三吉清水に到着!!



エキノコックスは心配ないという湧き水を美味しくいただく。


ミヤマスミレ


ツマトリソウ

極楽平から見る羅臼岳。



この周辺には、蝶とも蛾とも見分けがつかない昆虫がうじゃうじゃ飛び交っている。


蝶、蛾??

平坦な極楽平には、始めと終わりに道標がある。


ミヤマスミレの群落

第二の水場「銀冷水」に到着


雪渓からチョロチョロ流れる銀冷水は、見るだけ…

羽衣峠を超えると、いよいよ大沢の雪渓登りが始まる。

 


羅臼平に向けて一歩一歩進む。

振り返ると下から団体さんが登ってくるのが見えた。 


大沢の雪渓の両脇にはエゾコザクラが咲き乱れるらしいが、今年はまだ見ることができない。
4年前の8月19日、大沢は一面のタカネトウウチソウとイワギキョウ、チシマクモマグサが見事だった。
今回は雪解け後に咲くエゾコザクラなど期待したけれど、まだ少しかかりそうだ!!

涼しい風を受けての雪渓登りは30分余りで終了!!

 

 ここから羅臼平までは僅かの距離だが、エゾコザクラやエゾノツガザクラなどが登場して途端に鈍足になる。


エゾコザクラ


エゾノツガザクラ


イソツツジ


メアカンキンバイ


メアカンフスマ

登山口から3時間30分で羅臼平に到着。



食料だけフードロッカーに入れ、、非常食、水、ツェルトなどはサブザックに移し、羅臼岳をピストンする。


イソツツジ


チシマクモマグサ?

極上の岩清水の水をペットボトルに詰める。
清水の周辺に咲く花はすべてイワウメ。


イワウメ


イワヒゲ


ミネズオウ

羅臼のドームの手前に雪渓が残っている。↓


エゾノツガザクラ



11:15 羅臼岳山頂

 

左下に羅臼湖を見ることができた。 ↓ 奥に見える特徴ある山は…え〜〜と!!地図が途切れていて確認できず??



少し霞んでいるが、縦走路がハッキリ見える。
明日歩く予定の山並みは、左から硫黄山、第1前衛峰、第2前衛峰、コケシ岩を挟んで白い砂礫のヤセ尾根、知円別岳、
南岳はどこだか分からない… ↓

 

いつまで眺めていても飽きない素晴らしい景色 

      
エゾノツガザクラ /  ミネズオウ

 


キバナシャクナゲ

 


イワウメ

羅臼平へ下る

 

 

       
メアカンキンバイ  /  メアカンフスマ

 


メアカンフスマ



さて、仕度を整えてこれから三ツ峰へと未知の領域へと踏み込む。


賑やかだった羅臼平を離れた途端、人気はなくなる


エゾコザクラ



キャンプ指定地に通じる登山道は雪解け水が流れ込むが三ツ峰のテントサイトは乾いていて快適そう!!
しかし、昨日はこの周辺で熊の親子が雪遊びをしていたそうなので、急いで通過する。


可憐はエゾコザクラがあたり一面に咲き競う

 当初はここに宿泊する予定だったけれど、時刻はまだ13時だし、何より熊さんにはお会いしたくないので先を急ぐ!



三ツ峰の間から顔を出した羅臼岳を振り返る ↓



うっすらと島が見える。国後島のようだ!! ↓



サシルイ岳へ通じる登山道は、ハイマツとイソツツジに覆われている。


イソツツジ

 


チングルマ


サシルイ岳はケルンがあるだけ

二ツ池キャンプ場へは、もうひとつオッカバケ岳を越える  ↓



歩いてきた道を振り返る ↓



さて、ここが問題のサシルイ岳の雪渓、木下小屋で出発間際に「サシルイ岳の雪渓を下り過ぎないように…」と忠告を
受けていたので、途中の登山道の入り口を見落とすことのないよう注意する。


しかし、どんどん下ってもそれらしき登山道が見つからないので、見落としかもしれないと不安になり、登り返してみたりして
なかなか先に進めない…
結局、先端まで下り、ピンクのリボンを発見しホッとする。
沢と化した登山道はハイマツが生い茂り、腰をかがめながらハイマツのトンネルをくぐりようやくミクリ池に到着する。



ドロドロの湿地帯「ミクリ池」周辺はエゾコザクラとチングルマが美しい!!

水路と化した登山道 ↓

 



本日最後のピーク「オッカバケ岳」に向けて進むと、反対方向から若いカップルにすれ違った!!
縦走路に入ってから初めての登山者に気持ちが緩む。
硫黄山からの登山道も道が不明瞭で何度か道に迷ったことや、ドロドロにぬかるみに閉口したことなどを聞き、明日の行程が思いやられた


アオノツガザクラ

オッカバケ岳から二ツ池のキャンプ場を見下ろす。 ↓



天の池はまだ完璧に雪に覆われていて、地の池そばのテントサイトも濡れているように見える。



ミネズオウ


土は濡れているが、適当な場所を見つけて幕営する。

 

<その2>に続く

 

知床連山縦走 【北海道】 2012年7月1日〜2日<その2>

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 シレトコスミレ



<その1>からの続きです。

 7/2(月) 二ツ池キャンプ場(6:30) → 南岳 → 知円別岳 → 第三火口 → 硫黄山山頂(12:40/50) →  沢出合 → 新噴火口 →  登山口(17:10) →(熊に遭遇)→ カムイワッカ(17:50)


      



 

7月2日 縦走二日目



一晩中、吹き荒れる風は恐怖を感じるほど、それでも三時半に起きて、フードロッカーに食料を取りに行くときまでは
雨は落ちていなかった…


その後、テントを撤収する朝6時過ぎは霧雨ながら強風に煽られ、たちまちびしょ濡れとなる。
この時、私はシャツ二枚にレインウェアの三枚を着ていたけれど、この天候だからとフリースを重ねるように促され、
雨の中で、雨具を脱ぎ、中間着としてフリースを重ねた。
この判断は大正解で、その後の疲労を最小限に押さえることができたと思う。

 6時30分発   
昨日の夕刻、反対方向からテン場に着いた単独の男性は先に出発した。
男性によると、二ツ池から南岳の稜線に出るには天の池を横断するが、道がわかりづらいとのこと。
確かに、横断後も取り付きを見つけることができず、初っぱなから立ち往生する。
何度も行ったり来たりしながら、ようやく登山道を見つけることができて、一安心…
ケルンを経て、歩きづらいハイマツ帯を行く。


南岳らしいピークを過ぎ、砂礫地にさしかかった時、シレトコスミレを発見!!
いよいよ、シレトコスミレエリアに突入したらしい…

ザックに仕舞いこんでいたカメラを取り出し、さっそく撮影する。

そう、今回の北海道遠征はこのシレトコスミレがメインだった…
あいにくの天候だけれど、なんとか憧れのスミレを見ることができて感慨も一入だ!!

欲をいえば、もう少し天候が良ければと思うけれど、こればかりは仕方がない… 


シレトコスミレ


メアカンキンバイ

傘を取り出すことができないまま撮影していたので、カメラもレンズもびしょ濡れで曇ってしまう。
タオル、レンズ拭き、すべてがぐしょぐしょ、ザックの奥にはビニールに包んだタオル、ハンカチがあるが取り出すことができなず、もはや手立てがない。
コンデジを車に置き忘れてきたのが痛い…

エゾコザクラ咲く湿地を抜け、知円別分岐の登りに差し掛かる。
分岐を左にとり、崩れやすいザレ場をトラバースする。道はハッキリしないし足元はズルズル、
本当にここを進んでよいのか不安がよぎる。

白い痩せた尾根(中の廊下)を慎重に歩き、コケシ岩下で一本とる。
さらにザレた白い砂礫の道を行くと、小さなケルンがあり、右手に下るように踏み跡がある。
しかし、ここが問題!!
踏み跡は雪渓へ下りるようになっているが、その先が見通せず雪渓の上で立ち往生する。
何度も行ったり来たりきながら、結局道がわからないので体が冷えきり危険を感じる。
とりあえず下降点のケルンのある場所まで戻り、適当な場所をみつけてビバーク、靴のままテントに入り、ガスに火を点けるとほんわか暖かくなりホッとする。

落ち着いたところで、相方のも〜りさんが空身で道を探しに出かけた。
15分ぐらい経った時、「道、あったよ〜〜!!」とルートを見つけて戻ってきた。その時は信じられない気持ちと感謝の気持ちでいっぱいになった!!
さっそく撤収し、先を急ぐ!!
登山道は第2前衛峰の裾野をぐるりと巻くように急傾斜の雪渓を登った先に小さなピンクのリボンがあった、よくぞ、こんな小さな目印を見つけたものだと、改めても〜りさんの行動力に感謝する。


第2前衛峰岩峰、第1前衛峰を越えて、硫黄山の肩に到着!!

ここまで来れば安心、せっかくだから、硫黄山のピークを踏むべくザックをデポして岩場に取り付く。
浮いた石、不明瞭なルートに苦労したが、何とかピークを踏むことができた。
岩陰で風雨を避け、携帯でタクシーの予約をするも、、電波は良好なのに相手が捕まらない…
最後の手段として、自宅にいるはずの夫に中継点となってもらい、ウトロのタクシー会社に電話をかけてもらい、
カムイワッカに午後4時に迎えにきていただくよう頼んで、下山する。
後で、、わかったことだが、ウトロのタクシーは会社に電話すると運転手さんに転送されるようになっていて、仮に、運転手さんが電波の届かない場所にいると連絡がつかないのである。
硫黄山頂から電話した時はまさにそのような状態で、夫と連絡が取れて助かった!!


デポしたザックを回収し、いよいよ硫黄沢へと下る。
ところが、またまた道が見つからない…
雪渓をトラバースするのに躊躇したのが良くなかったかもしれないが、半分解けた雪渓のトラバース以外に安全な場所があるかもしれないとあっちこっち探しまわっているうちにますます風雨が強まり、レインウェアーが役に立たないほどフリースを含め衣類がびしょ濡れになり、寒さで震えが止まらない。

持っていた地形図も濡れて滲んで役に立たず、防水加工された昭文社の地図だけが頼り…
こんな大事な時に、二人とも地形図を濡らしてしまったのは致命的です。
ウブシノッタ沢に迷い込まないように細心の注意を払っているつもりが…こともあろうに。。。。
「ここ以外に道はないよね〜〜ここを降りようか…?」などと言ってしまう自分がいるのでした。
まさにそれこそが、ウブシノッタ沢だというのに…

これが最後と、果敢にもも〜りさんが再度、道を探しに空身で出かけていった!!
その間、急斜面で彼女と自分のザックを離さないように確保していた。下をみると、そのままス〜ッとザックもろとも吸い込まれていきそうな錯覚に襲われる。
もう一度、硫黄の肩に戻り、今夜はビバークかもしれないと考え始めた時、「道が見つかったよ!!」と戻ってきた!

その後、雪渓を二回トラバースして等間隔に打たれた杭に出会った時は心底「助かった!!」という

実感がこみ上げてきた。

ザレた道もこれまでの不安が払拭され、快調に飛ばすことができた。
硫黄沢の雪渓の中間点までくると、ホッとしたのか急に空腹を感じ、小休止して潰れたミカンを3個をずつ一気に食べ、ポケットに入っていた飴を一個ずつ食べた。
飴は雨で表面が溶けていたけれど、この一個でとても元気が出た気がする。

雪渓は緩んでいて、迂闊にも踏み抜いてしまった。!!
突然、雪渓下の沢に尻もちを付き、流れに持って行かれ、ザックを背負った足が上流に向き、起き上がろうにも起き上がることができない!!
やっと立ち上がっても深さが1.5mほどあり、力を入れると雪渓の縁が崩れるので、這い上がるのに時間がかかった。
まず、ザック引き上げてもらい、身軽になったところで岩をテコに背面で這い上がり、見事成功!!
この間、一番驚いたのが相方のも〜りさんかも…^^
濡れただけで怪我もなかったのは、不幸中の幸いだった。

雪渓の末端は、水量が多く、濡れないで行くのは困難、どっちみち濡れてしまった靴なのでジャブジャブと沢に入り安全第一で沢下りを楽しむ^^

沢出合でドロドロに汚れたザックと雨具を少しだけ洗って、登り返し、その後は新噴火口、旧硫黄採掘場跡付近などを経て
いるうちに空が明るくなり、眼下にオホーツクの海も見えてきた。
左手にカムイワッカの湯滝も見下ろすことができる。

タクシーの予約時刻を大幅にオーバーしたけれど17:10に登山口に到着!!
あとは、10分の林道歩きでカムイワッカ湯の滝である。

大変な目に遭ったけど無事に下山できてよかったね!と喜んだその時、行く手にコロンとした可愛い子グマが
一頭遊んでいる!!
数歩下がって観察すると、子グマがもう一頭いる、となれば母グマもきっと近くにいるはず…

遠くに下がって観察していると、母グマが法面を勢いよく下ってきた。

フェンスを挟んで法面の母グマと林道側の子グマが二頭、母親の方へ行きたい子グマたちは、フェンス越しに顔を見合わせながらゲートの方へと進む。

ゲート付近で動かないクマの親子三頭


子グマ一頭は何とか母グマの元に戻ることができたようだが、その間40分かかった。


ちょうどその時、タクシーが迎えに来てくれたので、残された子グマさん一頭を横目に雨具を脱いで車内に乗り込んだ!!
待っていたはずのタクシーは、約束の時刻を大幅に過ぎたことを心配して、電波の届くところまで行き、夫と連絡を取ってくれたのだった。
運転手さんと夫には大変なご迷惑と心配をかけてしまった!!

前日の晴れから一転、風雨の中の道迷い、クマとの遭遇まで、まさにフルコースの知床縦走は、反省すべき問題点を多く残したものの、無事に帰還できて何よりだった。

 




 憧れの“シレトコスミレ” いつかは会ってみたいと願っていました。
2006年から2010年までカムイワッカ湯の滝より先の林道が通行禁止となり、
それに伴い、硫黄山への登山、羅臼岳⇔硫黄山の縦走ができなくなりました。
シレトコスミレを見るためには、羅臼岳方面から往復する以外に道はなく、
行程が長くなるので半ば諦めていした。

2011年と2012年は事前申請をすることによって、林道の通行が可能となり、
硫黄山の登山ができるようになりました。

通行が可能になった昨年から、山友のも〜りさんにお願いして今回の縦走を計画していました。
いつまた通行不可になるかわからないので、行ける時に行こう!!
日本では硫黄山から南岳周辺にかけて咲く孤高の花“シレトコスミレ”
苦労の末、ついにシレトコスミレに出会うことができました!!

天気は最悪だったけれど、憧れの花に出会えた喜びは大きく
同行してくれたも〜りさんには感謝の気持ちでいっぱいです。
ありがとう!!も〜りさん、これに懲りず、また連れていってね^^;
 


 


夕張岳 【北海道】 2012年6月28日

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北海道遠征初日、千歳空港からレンタカー「ニッサンノート」に乗り、千歳市内でガスカートリッジと食料を調達後、
夕張岳ヒュッテに向かう。

駐車スペースのある登山口から夕張岳ヒュッテまでは登り10分ほど、当初はヒュッテに宿泊する予定だったが、急遽テント泊に変更。
駐車場に止まっている車の台数が多かったので、ヒュッテは混み合っているかもしれないと考えたから…
しかし、到着してみると宿泊者は三名だけ、ちょっぴり気持ちが揺らいだが、せっかくテントを運んだので予定通りヒュッテ脇にテントを張る。
停まっていた車は、これから下山する人や車中泊の車だった。




老朽化したヒュッテの横には、新たに小屋を建てるべく「ユウパリコザクラの会」の方々が活動している。
現在は頑丈な基礎部分が完成し、木材に防虫加工をしているところだった。
ユウパリコザクラの会では、ヒュッテの新築にあたり、寄付金を募っている。
私たちも一口だけだが協力させていただく。「夕張ヒュッテ建て替え寄付金」はこちらから。

管理人さんを始め、小屋を作るため頑張っておられるコザクラの会の方、登山客の方々も気さくで一気に打ち解け、
一緒に食事をしながら楽しいひとときを過ごし、時の経つのを忘れるほど…
アルコール、煮物、漬物、さらに夕張メロンまでもお相伴に預かった ごちそうさまでした。


小屋の裏には薪で沸かす五右衛門風呂があり、私たちも勧めていただいたが、
新たに水を入れ替えて沸かすというので、手間をかけては申し訳ないからとお断りし、
七時ごろにはお開きにしてテントに入った。



【コース】
夕張岳ヒュッテ04:10  → (冷水コース)→ 馬の背合流05:25/30 → 望岳台06:05/10 → ガマ岩06:55 → 蛇紋岩崩壊地07:05/25 → 吹き通し08:05/20 → 神社08:40/45 → 山頂08:50/55 → 蛇紋岩崩壊地09:35 →(ユウバリコザクラを探す) → 蛇紋岩崩壊地10:50 → 馬の背分岐12:05 → (馬の背コース) → 夕張岳ヒュッテ12:50/13:30 → 登山口13:40

 

      




3:00起床、4:10に出発。

冷水コース入り口で、関西弁の団体さんに出会う。
「早いですね〜」と声をかけると「お互いに…」との返事。
その後、団体さんはとは抜きつ抜かれつしながら進むことになる。

この時期の北海道は夜明けが早く、3時半には空が明るくなるので、涼しいうちに登りはじめることで、
エネルギーの消費を最小限にとどめることができる。



    
ミヤマハンショウヅル  /   ツバメオモト


風はないけど、空気はまだひんやりしているので気持ちがいい^^


5:00 冷水の沢 ↓

沢水なのでエキノコックスが少し気になったが、地図にも“要煮沸”の注意書きがないので、
たぶん大丈夫だろうと考え、ありがたく飲む。冷たくて美味しかった〜〜^^


ムラサキヤシオツツジ


ゴゼンタチバナ

小屋を出て1時間15分で馬の背と合流。コースタイムは2時間20分と書かれているので、快調快調^^

05:25 馬の背との合流 ↓


 

  
サンカヨウ  /   エンレイソウ


05:50 石原平 ↓
 


石原平のシラネアオイは終了し、ガッカリしたが、少し進むと新鮮な花が残っていた。


シラネアオイ

  
カラマツソウ  /   ノウゴウイチゴ


ウコンウツギ



06:05 望岳台 ↓



冷水コースが順調だったので、望岳台は軽いね〜〜
と、思ったら、そうは問屋が下ろさない、それなりに急いだはずなのにコースタイムを5分もオーバー!!

その後は、デジカメタイムにお任せして時計を見るのはやめた!!
コースタイムを競うのではなく、お花をじっくり見にきたのだから…^^;


望岳台でゆっくり休んでいると、下の方から賑やかな話し声がしてきたので、ヨイショと重い腰を上げた。


  
エゾノリュウキンカ   /   エゾウサギギク 

06:33  憩いの沢 ↓

憩いの沢は、雪渓の下に隠れていた。


06:40 前沢湿原入口 ↓




チシマヒョウタンボク

  
ハクサンチドリ /  ユウバリアズマギク


エゾグンナイフウロ


ムシトリスミレ   



   
フギレキスミレ /  タカネクロスゲ 
    

  
コガネイチゴ  /  エゾグンナイフウロ


07:00 蛇紋岩崩壊地付近  ↓
 

蛇紋岩崩壊地では、ユウバリアズマギク以外のほとんどの花が終わっていた。
この周辺にユウバリコザクラがあるはずと、念入りに探してみたが、結果は…

コザクラは枯れ果てていた(涙) 


花後のユウバリコザクラ


開花を待つシロウマアサツキの群落

    
    シロウマアサツキ


    
キバナノコマノツメ  /  イワイチョウ 



ミヤマリンドウ
 

    
シナノキンバイ /  ミツバオウレン


シナノキンバイに止まるミヤマシロチョウ

  
コミヤマキンポウゲ  /  アイヌタチツボスミレ?

夕張岳の蛇紋岩地ではアポイタチツボスミレが咲くことは知っていたが、一花だけ見つけたこのスミレは、側弁の毛と白い距に特徴があるのでアポイタチツボかと思ったが、葉はやや大きく、葉の色も淡い。
一月前にアポイ岳で見たものとは雰囲気が違っていたのでアイヌとしたが、アポイかもしれない。


   
マルバシモツケ  /     エゾミヤマクワガタ


芦別岳方面

 夕張岳といば、その名を冠したユウバリコザクラとユウバリソウが有名ですが、
今年はまだ6月だというのにすでに終盤で花は花穂の先っぽに僅かに残っているだけだった。ガ〜〜ン



吹き通しに咲くユウバリソウ

ユウバリソウはウルップソウの白花バージョンで、ウルップソウよりやや小さめの夕張岳の固有種。
かろうじて咲き残っていてくれて有り難い!!

   
ユウバリソウ



ユキバヒゴタイと芦別岳


ユキバヒゴタイ

 
ユウバリアズマギク


吹き通しには、ユウバリソウのほか、ユキバヒゴタイ、ユウバリアズマギク、チシマキンレイカ、
エゾタカネスミレ、ユウバリキンバイなどが群れ咲く。

ユウバリアズマグキとチシマキンレイカ


ユウバリキンバイ


エゾミヤマクワガタ



エゾタカネスミレとクモマユキノシタ



  
ナンブイヌナズナ  /  クモマユキノシタ

期待したシソバキスミレは見つからなかった!!


 
タカネグンバイ 


吹き通しを振り返る(白くザレた砂礫地が吹き通し)


エゾヒメクワガタ

  
ホソバイワベンケイ


ウコンウツギ


夕張岳神社 

抜きつ抜かれつしていた関西のツアーの方々は、すでに登頂をすませ、神社で休憩中でした。
山頂は虫が多いので早々に下ってきたとのこと。

ここで、重要な情報をキャッチ!!
私たちが、あれほど探して見つけることができなかったユウバリコザクラを一株見つけたとのことで、デジカメのモニター
を見せて頂いた。
まさしく“ユウバリコザクラ”である。
親切なガイドさんに山の名前、花情報など色々と教えていただき感謝感謝である。

下山時の楽しみができたところで、いよいよ夕張岳山頂へと足を運ぶ。


イソツツジ

 山頂付近にはふんわり真綿を被ったようなキク科の植物が目についた。ほとんどがまだ蕾だが、わずかに黄色い花が見え、、写真に収める。ラムズイヤーを思わせる柔らかそうな葉、もしかして、ミヤマオグルマ…?と思ったけれど確信が持てない。

  
ミヤマオグルマ

以前、利尻岳で出会ったミヤマオグルマとは少々雰囲気が違って見えたから…
下山後、「北海道の高山植物」で、すぐに確認。
若い咲き始めの頃だから、綿毛に覆われていることが分かった!


ミヤマオグルマ

   
エゾノハクサンイチゲ  /  ミヤマダイコンソウ 

08:50  夕張岳山頂  ↓

文句なしの晴天 右が明日登る予定の芦別岳。


芦別岳方面  ↓

明日登る予定の芦別岳と 遠くに白い山肌の崕山(キリギシ山)が見える。


山頂より見る前岳、滝ノ沢岳と、直下の夕張岳神社が見える。 ↓



景色は最高だけれど、確かに虫が多くまとわりつくので、私たちも記念撮影後山頂を後に、関西ツアーの皆さんと同じように
 神社で休憩することした。

 
小さな日影をさがして休憩すると、爽やかな風を感じ、山頂と違い、うるさい虫も少なく感じる。
神社周辺はユウバリアズマギクが群生し、エゾノハクサンイチゲなどの高山植物も多い。

再び、吹き通しでたっぷり時間を費やす。


チシマキンレイカ


エゾタカネスミレ

 


エゾタカネツメクサ

  
ユウバリソウ  /  ミヤマオダマキ

  
クロウスゴ  /   ハクサンチドリ

  
イワイチョウ  /  タカネタンポポ


そして、そして、ようやく咲き残った一株のユウバリコザクラに出会う!!


ユウバリコザクラ

実は、教えて頂いたそれらしき場所を何度か行き来して丹念に探すも見つけることができず、諦めて下山にかかっていた。
しかし、証拠写真も見せて頂いた訳で、少なくとも一株は確実にあるはず「後悔のないように探してみよう!」という、
も〜りさんの強い勧めで、本腰を入れて引き返してみた。
その場所は、考えていた場所よりかなり上部だった。が、自力で見つけることができなかったことは少々情けない…


ヒメナツトウダイ


シラネアオイ

    
シラネアオイ  /   シロバナシラネアオイ

北海道のシラネアオイは花弁が丸くて愛らしい。


12:05 冷水コース、馬の背分岐点


下りは馬の背にコースをとり約50分で夕張ヒュッテに到着する。

12:50 夕張ヒュッテ到着


強い日射で、私たちのテントもシュラフもカラカラに乾燥していた。

昨夜お世話になった管理人さんたちに下山報告をしてテントを撤収、アイスコーヒーをごちそうになり
13:30にヒュッテを後にする。
登山口までの林道の下りは僅かなのに意外にも急勾配で、疲れた足に堪えた…
平日でも登山客が絶えない人気の夕張岳、今年は例年になく開花が早く、ガイドさんの話によると昨年より1〜2週間
は開花が進んでいるとのこと。

期待したユウバリコザクラは残り花を一株だけだったけど、根気よく探したお陰で何とか会うことができた
シソバキスミレは、また次の課題として残ってしまったので、また再訪しよう!


三笠市の桂沢湖から美唄富良野線を通り、芦別岳の麓「山部太陽の里」に向かう。


翌日の芦別岳はこちらから

芦別岳 【北海道】 2012年6月29日

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前日の夕張岳から、新しくなった国道452号線を北に走り、美唄富良野線から富良野市に入り山部太陽の里に向かう。
芦別岳の麓にある太陽の里は、宿泊施設、キャンプサイト、パークゴルフなどもある広々とした公園で、
今回は贅沢に事前に個室を予約した。

食事は併設のレストランでできるが、まず、部屋のお風呂で汗を流した後、気持ちの良い外のベンチで缶ビールで乾杯、
その後名物の石焼焼肉と生ビールで舌鼓、ビール好きの二人はそれだけでシ・ア・ワ・セ である。

明日への英気を養い、部屋に戻ってフカフカの布団にもぐる。
しかし、なぜか眠りは浅く、翌日は午前3時のアラームが鳴る前に目が覚める。

 

                                       

 【コース】新道登山口04:10 → 見晴台05:30/40 → 鴬谷06:05/20 → 半面山07:00/10 → 熊の沼07:20 → 雲峰山08:05/10 → 芦別岳山頂08:50/09:40 → 雲峰山10:10 → 半面山10:40/55 → 鴬谷11:25/35 → 見晴台11:55/12:10 → 登山口13:05 

  



登山口は太陽の里から車で2〜3分の場所にある。
4時10分は、一番乗りかと思ったが入山名簿を見るとすでに3時45分に出発した人がいて、
先を行くパーティーがいるいることを心強く感じる。


 <遭難碑がある駐車場>

呻吟坂の手前で先行者を追い越す、先行者は仲の良さそうな年配のご夫婦だった。

 <呻吟坂>

 羆の落し物か…

 <見晴台>

登山口から見晴台までは、2.7km、鴬谷まであと600mと書かれているが、実際歩いてみると
もっともっと長い気がした。

 <鴬谷>

旧道のユーフレ小屋からの合流点「鴬谷」まで1時間55分、ようやく樹林帯から開放されて、可憐な植物が姿を現す。

  

   
コケモモ / ムラサキヤシオツツジ


ゴゼンタチバナ

右手に見えるのは夫婦岩だろうか?旧道コースの稜線が険しくそびえる。 ↓



気持ちのよい登山道  ↓


高原の散歩道を思わせるダケカンバの登山道は、急坂から開放されてホッとできる。


07:00 半面山  ↓

どこにも標識がないけれど、時間的にもここが半面山でしょう!右手に鐘が設置されている。


いよいよ芦別岳らしき峰が見えてきた。

左が芦別岳、右が雲峰山だろうか…? ↓

半面山から先の笹の根っこ付近にエゾイチゲが群生している。


エゾイチゲ

半面山から少し下ると熊の沼といういかにもクマさんが好みそうな湿地に出た。
登山道沿いにミズバショウが咲き残っていた。
クマさんはミズバショウが好物だと聞いていたので、これを食べるためにやってくるのだろうと思った。
急いで通り抜ける。

熊の沼  ↓



このすぐ先に「旭商生遭難碑」がある。

   


シロバナシラネアオイ

芦別岳のシラネアオイは白色、またはピンク色がほんのり乗った淡い色合いのものが多く
本州の山で出会うものと趣が異なる。
いずれも、花弁が丸く優しく柔らかい雰囲気が漂う。


淡い色のシラネアオイ

 深くえぐれた登山道 ↓




登山道脇にはオオバキスミレがたくさん咲いている。

オオバキスミレには変種が多く、似ているようで葉の形、葉の付き方、毛の有無などで微妙に名前が違うので、図鑑と首っ引きで名前を確認することにしよう!!ふむ、できるかな…^^;


ケエゾキスミレ

エゾキスミレより葉が薄く、ふちや裏面脈上に短毛がある。


ケエゾキスミレ
ふちの短毛をなんとか確認できます^^;

※芦別岳にはトカチキスミレというケエゾキスミレの無毛種があるそうなので、画像を拡大して
確認する必要がありそうです。




フギレキスミレ
葉は輪生に3〜4枚付き、ふちが不規則に切れ込む、質はやや厚くて光沢があり、裏面の脈上とふちに短毛がある。

印の解説は「日本の高山植物」より引用)



雲峰山から一旦下り、登り返す。コースタイムでは40分となっているが、
山頂まで本当に40分で行けるか心配になるほど遠く感じた。

雲峰山から見る芦別岳 ↓



南にぼんやりと夕張岳が見える ↓




鞍部で青い花を発見!!エゾルリソウだ!!
右手の崩落した斜面にも大株が見えたが、撮影は無理なので諦めた。

  
チシマフウロ  /  エゾルリソウ



エゾルリソウ




ウコンウツギと背景は雲峰山

 

    
マルバシモツケ / イソツツジ
 


シナノキンバイ

 
チシマザザの花



山頂直下の雪渓は小さくなり夏道が出ていたので、
用心のため持参したアイゼンは全く不要だった。  ↓



雪解け後の斜面には、エゾノハクサンイチゲらしき白い花があちこちで群生している。
白いかたまりは遠すぎて撮影はできなかった!!


08:50 芦別岳山頂  ↓


登山口から4時間40分かけて芦別山頂に到着した。





歩いた道を振り返る↓ 

旧道方面を見下ろす ↓

裸地付近はお花畑になっていて白い花が見える。
行ってみたい気もするが、あまりの暑さに登り返しが億劫になり、周辺の散策にとどめる。

ちょっぴり心残りではあったけれど、周辺だけでも、十分に楽しむことができたし、第一に
下りのために体力を温存しなければならないので、やはり行かなくて正解だったと思う。

  
サマニヨモギ  /  イワヒゲ

  
ツクモグサ  /   キバナノコマノツメ

 
  
ヨツバシオガマ  / チシマゼキショウ 


チシマゼキショウ  


ミヤマダイコンソウ


ツクモグサ



ナガバツガザクラ


チシマフウロ


ムシトリスミレ


ホソバイワベンケイ


夕張岳は霞んで見えなくなった


レブンサイコ

  
レブンサイコ  /  チシマギキョウの蕾? 

 


ミヤマオグルマ

山頂周辺で50分も時間を費やし、9時40分に下山を開始する。
鞍部ちかくで、登り始めに追い抜いたご夫婦とすれ違った。
その後、雲峰山で男性が一人、結局、この日の登山者は私たちを含めてたったの5人である。
昨日の夕張岳と違って、芦別岳は人が少いので拍子抜けだった。
 


ウラジロナナカマド

    
ハクサンチドリ   /    ノビネチドリ

 


タニウツギ

    
ツバメオモト  /    ジンヨウイチヤクソウ

 13:05  登山口着




下り3時間25分で登山口着、

登山口の標高は320m、芦別山頂は1727m、標高差は1407m
登り返しも少しあるので、暑い中、よく頑張ったと思う^^;



        


計画の段階では、旧道コースから新道コースへと下るルートを希望していた相方のも〜りさんでしたが、
相手が私ですからそれは厳しいと判断し、安全重視で新道のピストンとなりました。
その代わりといってはなんですが…、早く下山できたならば、翌日はニペソツ山に登る計画となっています。
もちろん天気と体調次第では、無理をするつもりはありませんが、現時点では却下する理由が見つかりません。

正直いうと、私はニペソツ山より軽めの山、例えば、大雪高原の沼巡りとか緑岳などを考えていました。
でも、でも、遠いニペソツ山はそう簡単に来られる場所でもないし、
このチャンスを逃したら二度と登ることはできないかもしれない
そう考えると、俄然その気になってきました!

予定通り今夜の宿泊地の糠平ユースホステル(東大雪ユースホステル)に向けて車を移動です。
花人街道を南下し、狩勝峠を越え、然別湖を抜けて夕方ユースホステルに到着しました。


翌日のニペソツ山はこちらから



 

ニペソツ山 【北海道】 2012年6月30日

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 芦別岳から下山後は事前に予約していた糠平温泉にある「東大雪ぬかびらユースホステル」までやってきた。
120kmの移動で到着したユースは、清潔で快適そのもの、畳敷きの個室、湯量豊富な温泉、おいしい料理、行き届いたサービス、ランドリーも設置された、申し分のない宿である。

ユースホステルについて昔のイメージしか持ちあわせていなかった私は、今時のYHの変貌ぶりに大満足、「東大雪ぬかびらユースホステル」は120%満足できる宿である。

お風呂、夕食、洗濯、翌日の準備とあれこれやっていると瞬く間に時間が過ぎていく。
当日は午前2時に起床予定なので、遅くとも午後8時には床に就きたいが、アッという間に9時になってしまったので、30分遅らせて、午前2時30分にアラームをセットした。 

 予定通り2時30分に起床、共有スペースの電気ポットには常時お湯が沸いているので軽く朝食を摂り、前日に入れておいたペットボトルを冷凍庫から取り出し、十六ノ沢登山口に向かった。登山口までは45分ほどかかった。
 



【コース】 十六ノ沢登山口04:30-----小天狗06:05/10-----テント場06:20-----前天狗07:30/40-----天狗岳下08:00----ニペソツ山09:05/40-----天狗岳下10:25/35-----前天狗11:5-----小天狗12:25-----十六ノ沢登山口13:30

                                                         



YHを3時半に出発し、登山口に着いたのは4時15分、すでに5〜6台の車が停まっていた。

<十六ノ沢登山口>

 <沢にかかる丸木橋を渡る>

  

 <最初は展望のない樹林帯>



1時間35分登ったところで大岩が行く手を阻む。標識はないが小天狗のようだ…?↓
ここで、コンデジからデジ一にカメラを取り替える。
どのようにして小天狗を越えるか、とりあえず大休止して考えよう!
小天狗には上と下に二つ道がつけられているが、どっちもどっち、私は上の道を、も〜りさんが下の道で無事通過した。
一安心したところで、先ほど休憩した場所にストックを置き忘れたことに気がついた、ガ〜〜ン!!
も〜りさんに取りに戻ってもらった。
毎度お世話をお掛けしますデス。はぁ〜



左手にかっこいい山が見えてきた。「おぉ〜〜ニペソツだぁ〜〜!!」と叫ぶワタシ…
「そんな、訳ないでしょ!!」と冷静な相方も〜り殿。。。。。そう、あれは手前の天狗岳かな?
ニペソツ山はまだまだ姿を見せてはくれない。 ↓



小天狗からなだらかに下るとテント場に着いた。



テント場には美しいエソコザクラが咲き乱れていた。興奮を隠しきれないワタシ、
愛らしいサクラソウ系は幸せな気持ちにしてくれる。本当に美しい…




【エゾコザクラ】

そして、 エゾノツガザクラも咲き始めていた。


【エゾノツガザクラ】

 


【ニシキツガザクラ】  (アオノツガザクラ × エゾノツガザクラの雑種で、アオノツガザクラに近いもの)

                     

ダケカンバの白い幹が美しい!

林床に咲く美しいミヤマスミレにも感嘆の声を上げながら少しずつ高度を稼ぐ。 


【ミヤマスミレ】

いつの間にか、高い木がハイマツに変わり、雪を被った山並みが遠望できるようになっていた。
ここで、90度左に曲がり、ゴロゴロ石の歩きづらい登山道に変わる。



大雪の山々は霞んで良く見えない…


イソツツジと石狩岳方面


【イソツツジ】

 


【イワブクロ】

 石狩岳が近くに見える ↓

 


【イワヒゲ】 緑色の葉はウラシマツツジ


【イワウメ】


歩いていると終始「チュッチュッ」という可愛い鳴き声が響いている。
姿は見えないけれど岩の隙間に巣らしき穴が無数に見える。これが噂のナキウサギだろうか?


昨夜ユースホステルのスタッフの方が、「ニペソツではナキウサギがたくさん生息していているので、
必ず会えますよ」と、話してくれたのだった。
今のところ、姿は見せてくれないけど鳴き声だけはしっかり聞いた!



ガレた岩、この風景はトムラウシ山に似ていると感じた。



足元にはメアカンキンバイ、イワヒゲ、イワウメ、イワブクロなどが次々に登場するので写真を撮るのに忙しくなる。
特にイワウメは今が一番の盛りで、至るところにクリーム色の可愛い花をマット状に広げていた。

  


【イワウメ】


【イワヒゲ】

 
前天狗はまだかいな…行けども行けどもたどり着かない。。。



【イワブクロ】

ようやく前天狗に着いた!!  ↓


広々とした前天狗には携帯トイレブースがある。


3時間歩いてようやく前天狗に立つと、堂々としたニペソツの雄姿が飛び込んでくる!!
まだあんなに遠いのかぁ〜〜

 

 


【コエゾツガザクラ】 (アオノツガザクラ × エゾノツガザクラの雑種で、エゾノツガザクラに近いもの)


天狗岳が近くなってきたが、天狗本峰は巻く!



東の斜面にはイワウメがびっしりと咲く ↓




さて、いよいよ、泣きたくなるほどもったいない150m大下り、
そして、ニペソツ本峰に向け300mの最後の登りが待っている。



果てしなく遠くに見えたニペソツ山が間近に迫ってきた。

 


【ミヤマキンバイ】



【花後のツクモグサ】


ニペソツ山の山頂下はスパっと切れ落ちている



崖下に群生するエゾノハクサンイチゲ





【エゾノハクサンイチゲ】


【エゾノツガザクラ】


【ミヤマアズマギク】


【ミネズオウ】(ベニバナミネズオウ)



登山口から4時間35分 ニペソツ山頂に到着!!



山頂には咲き始めエゾルリソウが群生していた。
昨日、芦別岳で見た一株のエゾルリソウでも感激だったが、今日も引き続き出会うことができた。。
それも群生である。
憧れのエゾルリソウ…見頃はもう少し先だけれど、十分に見応えがある。
きつい登りの後に最高級のご褒美を頂いた気分で、疲れなど吹っ飛んだ!!

 



【エゾルリソウ】

 


【エゾルリソウ】


【エゾルリソウ】



エゾルリソウと並んで、ミヤマオダマキとチシマキンレイカ、ミヤマアズマギクなどが咲き競う!



【ミヤマオダマキ】

 


【ミヤマオダマキ】

 

 


【チシマキンレイカ】

山頂より、歩いた道を振り返る、パックリと切れ落ちた東壁が荒々しい! ↓

興奮しまくり写真撮りまくりのワタシ、くつろぐ相方^^; ↓



慌ただしく写真を撮ったりあとは、まったり過ごし、9時40分に下山開始。

ヘロヘロで、登りでは気づかなかった花たちが目に入るようになった!!


【ナガバツガザクラ?】

通常ツガザクラ系は下向きに咲くのですが、これは上向きに咲いている。


東の崖に黄色いスミレが見えた。もしかしたら、トカチキスミレ(ケエゾスミレの無毛タイプ)かもしれないと考え
覗きこんで撮ってみたが、花は反対方向を向いているのでうまく撮れない!! 
真正面から見てみたいが、崖の斜面なのでそれは叶うはずもなく、上からの撮影のみ、ああ残念…



他にも咲いているかもしれないと思ったが、やはり咲いていたのはここだけだった!!

帰宅後、葉を拡大してみると ↓ やはり葉のふちに毛はない…やはりトカチキスミレ。。。

【トカチキスミレ】

 天狗岳への150mの登り返し。 ↓

 覚悟を決めた登り返しは意外にあっさりクリアでした、先ほどまで居たニペソツを振りかえる。↓


【コケモモ】


【クロマメノキ】


特徴的な岩峰…手前のイワウメの群生が見事!! ↓


【ユキバトウヒレン?】


【キバナシャクナゲ】


 

 前天狗よりニペソツ山を振り返る、これより先は見えなくなるので何度も眺めても目に焼き付ける。 ↓




石狩岳と音更山 ↓


【ミヤマキンバイとイワウメ】


【メアカンキンバイ】

 帰路では、エゾシマリス、ナキウサギ、ギンザンマシコ(鳥)なども姿を現し写真に収める
ことができた。


【エゾシマリス】


【エゾシマリス】


【ナキウサギ】


【ギンザンマシコ】


【エゾコザクラ】

6月下旬の東大雪は新緑の季節、緑が美しい!! ↓



登りでストックを置き忘れた小天狗の岩場、今度は下の道で通過してみた。
下の方が危険が少いように感じた。

 

 
【ゴザンタチバナ】

13:30 最後の丸木橋を渡り、無事に登山口着。





登り4時間35分、下り3時間50分、全行動時間は9時間のハードな山行だったが、
不思議なことにそれほどの疲れを感じなかった!

昨日までの汗は、塩の結晶が顔に浮き、流れる汗が口に入ると海水を舐めているような
しょっぱさだったが、この日の汗は終始、水のようなさらっとしたものだった!

もしかしたら、俗にいう“良い汗”に変化したのだろうか…だったら嬉しいな

すっかり気をよくして、次なる目的地知床を目指すことにした。

しかし、知床までの距離は230kmもあり、移動に時間がかかりそうなので、美幌にあるユースホステルに泊まることにした。

三股まで林道を戻り、273号線を北へと三国峠越えして大雪湖の西側を走る。

この季節の北海道はどこを走ってもルピナスが真っ盛りで、沿道を彩りも鮮やかに飾っている。
中でも三国峠手前の群生地は実に見事で一見の価値あり!!

 



今回の旅で印象的だったのは、美しいルピナスが野生化し、車道の法面、側道、広場あらゆる場所に咲き乱れていること。
群れ咲くルピナスは見事の一言に尽きる。
しかし、荒地や痩地にいち早く根を下し繁茂し続ける姿は有害植物のオオハンゴンソウを思い浮かべ、手放しで喜べない気がしてきた。
今のところ、観光にも一役買っているようで、在来種を駆逐しない程度で楽しませて欲しいものです。


翌日の知床連山初日はこちらから

ニョホウチドリとハコネラン【山梨県東部】  2012年7月19日

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数年前、南アルプスの山で一度だけ出逢ったことがあるニョホウチドリは、その後全く縁がなく、いつかは再会したいと願っていました。
若干盛りは過ぎていましたが、ニョホウチドリの愛らしい姿にすっかり魅了されました。

【ニョホウチドリ】
 



ニョホウチドリの数は、以前に比べると随分少なくなったとのことですが、こんな素敵なランを愛でながらの稜線散歩は最高です。 

 

 富士山の残雪も少なくなり、すっかり夏山です。

 

    

       

     

                     

  

そして、こちらは初めましてのハコネランです。
よく似たコイチヨウランは時々見かけるのですが、こちらはなかなかお目にかかる機会がありません。
やっと見つけたハコネランは想像していたよりずっと小さく、じっと目を凝らしてみて何とかそこに咲いていることが分かる程度、
なかなか目に止まらないのです。

 【ハコネラン】



唇弁にギザギザがあるのが特徴とか…
でも、とっても小さくて、薄暗い樹林帯に咲く地味な花なので、
そのギザギサを確認するのはかなり困難なのです。

 

画像を拡大して何とか確認でできました^^;



この日見つけたのは全部で4株、いずれも一箇所にかたまって咲いていました。



           

 



その他に出会った植物もご紹介します。

 【ウスユキソウ】



【イワキンバイ】

 

 【コウリンカ】 


コウリンカは開花待ちの状態でした。


【オトギリソウ】



【フジイバラ】




【シモツケ】




【ノハラアザミ】

【ハナチダケサシ】



【ヤマオダマキ】



【タチコゴメグサ】

【タチフウロ】

 あれから二週間以上が過ぎた今は、お花畑の様子もずいぶん変わっていることでしょうね〜
また出かけてみようかな…

 

天狗岳 【北八ヶ岳】 2012年7月26日

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北海道から帰って以来、あまり歩いていないので体力的に不安…
数日後に迫った加賀の白山への日帰り山行は、標高差が大きいので途中でバテることのないように少し鍛えておかなければと考え、北八ツの天狗岳に登ることにしました。
天狗岳へは冬に2回、夏には3回ほど登っているので、何となく馴染み深いっていうか、気楽に考えていたのですが、
運動不足と暑さにやられてしまいました

     

【天気】

【コースタイム】
唐沢鉱泉(08:25) → 渋ノ湯合流(09:25) → 黒百合ヒュッテ(10:10/30) →東天狗岳(11:30/45)
 → 西天狗岳(12:00/30) → 第二展望台(12:55) → 第一展望台(13:25) → 唐沢鉱泉(14:30)

 



唐沢鉱泉から登るのは6年ぶり、標高1800mの高所に位置する唐沢鉱泉には爽やかな風が吹き渡る。
うん、この調子ならきっと快調に歩けるはず。。。



【唐沢鉱泉】

硫黄の香りが漂う冷泉を右手に見てしばらく進み、小さな橋を渡り薄暗い樹林帯の登山道に入ります。

林床に咲くリンネソウ、キソチドリなど見ながらゆっくり進むと一気に汗が吹き出し、先ほどまで感じていた涼しさはなくなり
ただただ暑いだけ…我慢の登りです。

    
【リンネソウ /   オサバグサ】

  

 ここの登りは雪のある冬の方が登りやすいようです…


【登り始めの登山道】

シラビソの森は日射しを遮ってくれるので涼しいはずなのに、今日は湿度が高いので蒸し暑く、
変化のない我慢の登りが続きます。
やがて岩ゴロの急坂、濡れた岩は滑りやすいので足を取られないように注意して登る。


いやはや、今日は黒百合ヒュッテまでがやたらと遠くに感じる…

お疲れモードで何とか辿り着いた黒百合ヒュッテ、日影を探して休憩です。
ここで水を汲む予定でしたが、最近は鹿が増え、糞などで汚染の心配があるため水場は閉鎖したとのこと。
使用不可でガックリ…
そういえば、小屋の周辺も鹿よけネットが張り巡らされ、高山植物を保護しています。
手を尽くしても鹿の食害に為す術もなく困りはてているとのこと、そういえば、先日の大菩薩でも小屋のオジサンが同じような悩みを打ち明けてくれました。
近頃はどこへ行っても鹿の害が深刻で、樹皮は剥がされ、高山植物が食い荒らされています。
鹿に罪はないけれど何とかならないものでしょうか?

さて、水分は十分持参しているけれど、この暑さですから余裕が必要です。
お高いけれど500mのペットボトルを購入し、稜線に上がることにしました。 


【黒百合ヒュッテ】

この日は、小学5年生の生徒さんが列をなして天狗岳登山に挑んでいました。

 


【東天狗と西天狗岳】


【乗鞍岳】


【槍穂高方面は雲の中】

日影のない稜線は、ジリジリと照りつける太陽をまともに受けるのでたちまち体力を消耗します。
小学生の子供たちも元気よく登っているので、ここでへこたれる訳にはいきません!!

   
【ヨツバシオガマ /  ヤマブキショウマ】

 


【イワツメクサ】

 

小学生の第一グループは山頂でくつろぎタイム、仲間の到着を待ちます。


【天狗岳山頂】

 

続々と到着する小学生で、山頂はたちまちギュウギュウ!!


グズグズしていたらあぁ〜〜赤岳が雲に隠れてしまった


【赤岳、阿弥陀岳方面】



私たちも少しだけ休憩して、西天狗に向かいます。

      
【イワニガナ  /  チョウジコメツツジ】


さて、西天狗へ移動しましょうか!


【西天狗岳】
 

 

 西天狗を登っていると、背後から先ほどの小学生の合唱「エーデルワイス♪」が聞こえてきました。
きつい登りをやり遂げた子供たちの感動が伝わってくる、とても素敵な歌声です。

 

  
【ムカゴトラノオ / ミヤマハンショウヅル】

 
【西天狗岳山頂】

東天狗では雲に隠れていた赤岳が姿を現し、天狗岳から続く縦走路がくっきり見えてきました。、
素晴らしい景色をお供にゆっくりランチタイム、凍らせてきたコーヒーゼリーが程よく解けて美味!!


【根石岳、硫黄岳、赤岳、左下端に見えるのは根石小屋】


東天狗に目をやると、すでに子供たちの姿はなく下山したようです。

 
【東天狗岳】

      
【コバノコゴメグサ / イブキジャコウソウ】

 

 帰路は西尾根を下ります。

えぇ〜あの山を登り返すのかな…前にも歩いたことあるけどすっかり忘れています。

【西尾根の急な下り】


【下ってきた道を振り返る】

 小さいながら繰り返すアップダウンに「話がちがうよ〜〜!!」と叫びたくなります。


【第二展望台】

 


【第一展望台】

そうそう、以前歩いた時にこの辺でウスバスミレを見つけたことを思い出し、葉だけでも残っていないかと注意深く探しながら歩きました。 

 するとどうでしょう!
意外なほど多くの葉をあちこちで見ることができました。


【ウスバスミレの葉】

  
【イワアカバナ / コバノイチヤクソウ】




【唐沢鉱泉駐車場】

お花は少なかったけれど、お天気にも恵まれた天狗岳は、思った以上に歩き応えがありバテバテでした。

以前は軽いと思っていた山でも、近頃はやたらと疲れます… 

これって、やはり歳のせいかな。トホホ…

 

 

 

 

 

 

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