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芦別岳から下山後は事前に予約していた糠平温泉にある「東大雪ぬかびらユースホステル」までやってきた。
120kmの移動で到着したユースは、清潔で快適そのもの、畳敷きの個室、湯量豊富な温泉、おいしい料理、行き届いたサービス、ランドリーも設置された、申し分のない宿である。
ユースホステルについて昔のイメージしか持ちあわせていなかった私は、今時のYHの変貌ぶりに大満足、「東大雪ぬかびらユースホステル」は120%満足できる宿である。
お風呂、夕食、洗濯、翌日の準備とあれこれやっていると瞬く間に時間が過ぎていく。
当日は午前2時に起床予定なので、遅くとも午後8時には床に就きたいが、アッという間に9時になってしまったので、30分遅らせて、午前2時30分にアラームをセットした。
予定通り2時30分に起床、共有スペースの電気ポットには常時お湯が沸いているので軽く朝食を摂り、前日に入れておいたペットボトルを冷凍庫から取り出し、十六ノ沢登山口に向かった。登山口までは45分ほどかかった。
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【コース】 十六ノ沢登山口04:30-----小天狗06:05/10-----テント場06:20-----前天狗07:30/40-----天狗岳下08:00----ニペソツ山09:05/40-----天狗岳下10:25/35-----前天狗11:5-----小天狗12:25-----十六ノ沢登山口13:30
YHを3時半に出発し、登山口に着いたのは4時15分、すでに5〜6台の車が停まっていた。
<十六ノ沢登山口>
<沢にかかる丸木橋を渡る>
<最初は展望のない樹林帯>
1時間35分登ったところで大岩が行く手を阻む。標識はないが小天狗のようだ…?↓
ここで、コンデジからデジ一にカメラを取り替える。
どのようにして小天狗を越えるか、とりあえず大休止して考えよう!
小天狗には上と下に二つ道がつけられているが、どっちもどっち、私は上の道を、も〜りさんが下の道で無事通過した。
一安心したところで、先ほど休憩した場所にストックを置き忘れたことに気がついた、ガ〜〜ン!!
も〜りさんに取りに戻ってもらった。
毎度お世話をお掛けしますデス。はぁ〜
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左手にかっこいい山が見えてきた。「おぉ〜〜ニペソツだぁ〜〜!!」と叫ぶワタシ…
「そんな、訳ないでしょ!!」と冷静な相方も〜り殿。。。。。そう、あれは手前の天狗岳かな?
ニペソツ山はまだまだ姿を見せてはくれない。 ↓
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小天狗からなだらかに下るとテント場に着いた。
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テント場には美しいエソコザクラが咲き乱れていた。興奮を隠しきれないワタシ、
愛らしいサクラソウ系は幸せな気持ちにしてくれる。本当に美しい…
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【エゾコザクラ】
そして、 エゾノツガザクラも咲き始めていた。
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【エゾノツガザクラ】
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【ニシキツガザクラ】 (アオノツガザクラ × エゾノツガザクラの雑種で、アオノツガザクラに近いもの)
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ダケカンバの白い幹が美しい!
林床に咲く美しいミヤマスミレにも感嘆の声を上げながら少しずつ高度を稼ぐ。
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【ミヤマスミレ】
いつの間にか、高い木がハイマツに変わり、雪を被った山並みが遠望できるようになっていた。
ここで、90度左に曲がり、ゴロゴロ石の歩きづらい登山道に変わる。
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大雪の山々は霞んで良く見えない…
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イソツツジと石狩岳方面
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【イソツツジ】
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【イワブクロ】
石狩岳が近くに見える ↓
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【イワヒゲ】 緑色の葉はウラシマツツジ
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【イワウメ】
歩いていると終始「チュッチュッ」という可愛い鳴き声が響いている。
姿は見えないけれど岩の隙間に巣らしき穴が無数に見える。これが噂のナキウサギだろうか?
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昨夜ユースホステルのスタッフの方が、「ニペソツではナキウサギがたくさん生息していているので、
必ず会えますよ」と、話してくれたのだった。
今のところ、姿は見せてくれないけど鳴き声だけはしっかり聞いた!
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ガレた岩、この風景はトムラウシ山に似ていると感じた。
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足元にはメアカンキンバイ、イワヒゲ、イワウメ、イワブクロなどが次々に登場するので写真を撮るのに忙しくなる。
特にイワウメは今が一番の盛りで、至るところにクリーム色の可愛い花をマット状に広げていた。
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【イワウメ】
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【イワヒゲ】
前天狗はまだかいな…行けども行けどもたどり着かない。。。
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【イワブクロ】
ようやく前天狗に着いた!! ↓
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広々とした前天狗には携帯トイレブースがある。
3時間歩いてようやく前天狗に立つと、堂々としたニペソツの雄姿が飛び込んでくる!!
まだあんなに遠いのかぁ〜〜
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【コエゾツガザクラ】 (アオノツガザクラ × エゾノツガザクラの雑種で、エゾノツガザクラに近いもの)
天狗岳が近くなってきたが、天狗本峰は巻く!
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東の斜面にはイワウメがびっしりと咲く ↓
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さて、いよいよ、泣きたくなるほどもったいない150m大下り、
そして、ニペソツ本峰に向け300mの最後の登りが待っている。
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果てしなく遠くに見えたニペソツ山が間近に迫ってきた。
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【ミヤマキンバイ】
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【花後のツクモグサ】
ニペソツ山の山頂下はスパっと切れ落ちている
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崖下に群生するエゾノハクサンイチゲ
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【エゾノハクサンイチゲ】
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【エゾノツガザクラ】
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【ミヤマアズマギク】
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【ミネズオウ】(ベニバナミネズオウ)
登山口から4時間35分 ニペソツ山頂に到着!!
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山頂には咲き始めエゾルリソウが群生していた。
昨日、芦別岳で見た一株のエゾルリソウでも感激だったが、今日も引き続き出会うことができた。。
それも群生である。
憧れのエゾルリソウ…見頃はもう少し先だけれど、十分に見応えがある。
きつい登りの後に最高級のご褒美を頂いた気分で、疲れなど吹っ飛んだ!!
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【エゾルリソウ】
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【エゾルリソウ】
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【エゾルリソウ】
エゾルリソウと並んで、ミヤマオダマキとチシマキンレイカ、ミヤマアズマギクなどが咲き競う!
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【ミヤマオダマキ】
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【ミヤマオダマキ】
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【チシマキンレイカ】
山頂より、歩いた道を振り返る、パックリと切れ落ちた東壁が荒々しい! ↓
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興奮しまくり写真撮りまくりのワタシ、くつろぐ相方^^; ↓
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慌ただしく写真を撮ったりあとは、まったり過ごし、9時40分に下山開始。
ヘロヘロで、登りでは気づかなかった花たちが目に入るようになった!!
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【ナガバツガザクラ?】
通常ツガザクラ系は下向きに咲くのですが、これは上向きに咲いている。
東の崖に黄色いスミレが見えた。もしかしたら、トカチキスミレ(ケエゾスミレの無毛タイプ)かもしれないと考え
覗きこんで撮ってみたが、花は反対方向を向いているのでうまく撮れない!!
真正面から見てみたいが、崖の斜面なのでそれは叶うはずもなく、上からの撮影のみ、ああ残念…
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他にも咲いているかもしれないと思ったが、やはり咲いていたのはここだけだった!!
帰宅後、葉を拡大してみると ↓ やはり葉のふちに毛はない…やはりトカチキスミレ。。。
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【トカチキスミレ】
天狗岳への150mの登り返し。 ↓
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覚悟を決めた登り返しは意外にあっさりクリアでした、先ほどまで居たニペソツを振りかえる。↓
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【コケモモ】
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【クロマメノキ】
特徴的な岩峰…手前のイワウメの群生が見事!! ↓
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【ユキバトウヒレン?】
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【キバナシャクナゲ】
前天狗よりニペソツ山を振り返る、これより先は見えなくなるので何度も眺めても目に焼き付ける。 ↓
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石狩岳と音更山 ↓
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【ミヤマキンバイとイワウメ】
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【メアカンキンバイ】
帰路では、エゾシマリス、ナキウサギ、ギンザンマシコ(鳥)なども姿を現し写真に収める
ことができた。
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【エゾシマリス】
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【エゾシマリス】
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【ナキウサギ】
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【ギンザンマシコ】
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【エゾコザクラ】
6月下旬の東大雪は新緑の季節、緑が美しい!! ↓
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登りでストックを置き忘れた小天狗の岩場、今度は下の道で通過してみた。
下の方が危険が少いように感じた。
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【ゴザンタチバナ】
13:30 最後の丸木橋を渡り、無事に登山口着。
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登り4時間35分、下り3時間50分、全行動時間は9時間のハードな山行だったが、
不思議なことにそれほどの疲れを感じなかった!
昨日までの汗は、塩の結晶が顔に浮き、流れる汗が口に入ると海水を舐めているような
しょっぱさだったが、この日の汗は終始、水のようなさらっとしたものだった!
もしかしたら、俗にいう“良い汗”に変化したのだろうか…だったら嬉しいな![]()
すっかり気をよくして、次なる目的地知床を目指すことにした。
しかし、知床までの距離は230kmもあり、移動に時間がかかりそうなので、美幌にあるユースホステルに泊まることにした。
三股まで林道を戻り、273号線を北へと三国峠越えして大雪湖の西側を走る。
この季節の北海道はどこを走ってもルピナスが真っ盛りで、沿道を彩りも鮮やかに飾っている。
中でも三国峠手前の群生地は実に見事で一見の価値あり!!
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今回の旅で印象的だったのは、美しいルピナスが野生化し、車道の法面、側道、広場あらゆる場所に咲き乱れていること。
群れ咲くルピナスは見事の一言に尽きる。
しかし、荒地や痩地にいち早く根を下し繁茂し続ける姿は有害植物のオオハンゴンソウを思い浮かべ、手放しで喜べない気がしてきた。
今のところ、観光にも一役買っているようで、在来種を駆逐しない程度で楽しませて欲しいものです。
翌日の知床連山初日はこちらから