麦草岳と御嶽山
体育の日の三連休は混雑を避けるため、最終日10日と翌11日を利用して中央アルプスに登ってきました。
行き先を決めるに当たっては東北、奥秩父、尾瀬など散々迷った末、、結局、機会の少ない木曽谷からの麦草岳と木曽駒ヶ岳を目指すことにし、その中でも一番楽に登れそな福島Bコースをチョイス!!コース中に避難小屋があることも理由のひとつです。
以前から気になっていた木曽駒さんお勧めの麦草山と、その先の破線ルートがどんなものか興味もあり、
山友のも〜りさんに同行させてもらうことにしました。
伊那ICで下りて権兵衛トンネルを快適に通り抜けると木曽エリアに突入、
木曽駒スキー場跡のコガラが福島Bコースの登山口となります。
連休最終日なので駐車スペースがあるか心配したけれど、無用でした。
【コース】
<10/10> コガラ9:25 → 林道終点 → 力水11:00/11:20 → 七合目避難小屋12:50
<10/11> 七合目避難小屋6:55 → 麦草岳07:45/50 → 牙岩08:55 → 分岐09:03 → 木曽前岳09:38/52 → 玉の窪小屋10:07 → 木曽駒ヶ岳10:40/11:17 → 玉の窪小屋11:30 → 八合目水場12:00/25 → 山姥岩12:35 → 七合目避難小屋12:55/13:35 → 力水14:25/35 → 林道出合15:00 → コガラ15:30
<10/10>
09:25 出発で〜す!
10:10 45分で林道は終了、沢の対岸に「登山道」の表示を見つけ、沢を横切り登山道に取り付きます。
10:35 取り付きから僅か25分でもう四合目、
この調子なら七合目避難小屋まで楽勝だわん!うっふっふ^^
登山道もごらんの通りふわふわ、適度な勾配なので歩きやすいです。
11:00 四合目半
一合ごとに25分と読んでいたけど、30分かけて登ってきたのにまだ四合目半…。
なんだか話が違うじょ〜〜計算が合わないよ〜〜って、泣き言をいっても始まらないのでここで大休止!!
そうそう、今日の行程は避難小屋までなので急ぐ必要はないのです。
四合目半には「力水」という水場があります。
水の勢いはイマイチだけど、木の樋を伝って冷たく美味しい水が流れています。山の水は有難いですね〜〜
美味しい力水をしこたま飲んで20分の大休止、のんびりした時間が過ぎてゆきます。
登山道で初めて植物に出会いましたよ!
名前はホソバツルツゲ「野生植物写真館」の宮本さんと、「山好き花好き」のkeitannさんに教えていただきました。
小さな小さなモチノキ科の常緑低木でツル状に地を這います。
それにしても、展望のない樹林帯は変化に乏しいので少し飽きてきますね!
でも、根気よく登れば確実に高度は上がっていく訳で…ボチボチですが頑張るしかありません。
下山される方もほとんどなく静かなものです。
6合目をすぎ、、、
12:50 本日のお宿(?)木曽駒ヶ岳七合目避難小屋に到着です。
さっそく中に入ってみます。
扉が開いていたので先客有りかと思いましたが、中には人の気配なし…
きちんと片付けられた小屋内には噂の薪ストーブ、燃料の薪、非常用の水、サンダル、救急セットなが用意されていています。
ここが避難小屋であることが信じられないほどの充実ぶりに驚きを隠せませんでした。
土間の隣に板の間があり、一階と二階にそれぞれ5〜6人、計10人ぐらいは宿泊できるスペースがあります。
二階部分、5〜6人は寝られそうですね!
私たちは二階にシュラフを広げ寝場所を確保、次は水を汲みに行かなかきゃ!水場はトラバースルートを約10分ほどの場所にあるそうな…
水汲みに行く準備をしていると、単独日帰りの男性が小屋に立ち寄りました。
私たちと同じくコガラから日帰りで茶臼、将棋頭、木曽駒ケ岳と周りBコースを下ってきた
健脚の男性は、「この水は8合目の水場からホースで引かれているのだからきっと飲めますよ!」
と力強い根拠のない(?)お墨付きを下さいました^^;
「そうだそうだ!!煮沸するわけだし問題なしだわ!!」と私たち…
そういう訳でハッキリ「飲用不可」と書かれているトイレの手洗い用の水を有りがたく恵んで頂きました。^^;
ちなみに、私たちお腹を壊すこともなく、翌日も元気に過ごすことができました。
それにしても、水場から引かれた綺麗な水がどうして「飲用不可」なのか理解できませんね〜
さてさて、寒くなってきたので楽しみにしていた薪ストーブのお世話になることにしましたよ!ところが、これがめちゃめちゃ大変、
薪を焚き付けるのは難しいのです。
私たちはスモーク状態になりながら薪ストーブと格闘!!今度こそ着火したかと期待するけれどいつの間にか消えてしまうの繰り返し。
最後の手段として、周辺に落ちている枯れ枝を拾い集め燃やしたところ、赤い炎がゆらぎ始めました。メデタシメデタシ
暖かくなった部屋で、ビールで乾杯 楽しい時間の始まりです。
別棟には洋式の水洗トイレがあります。(向かって左が夏用、右が冬季用です。)
結局、この日、その後はだれも来ることなく、私たち二人の貸切りでした。
とても快適で、有りがたく利用させていただきました。
ありがとうございました。
<10月11日>
今日は、避難小屋に荷物を置き、身軽になって麦草岳〜木曽駒ヶ岳を目指します。
小屋のすぐ上が麦草岳への入り口となります。
いきなりの急登です。これがきつい
立ち枯れなのか、白い幹が目立つようになると周辺も明るくなり高度が上がってきたことが分かります。
あれが駒岩か…?ハイマツの向こうに巨岩が積み重なっているのが見えてきました。
目を転じると、木曽前岳と木曽駒ケ岳の真ん中に宝剣岳も見えてきました。
雲海に浮かぶ荘厳な御嶽山が目に入った時はなんだか感動でしたね、ウルウル…
2724m 麦草岳山頂
遠くに槍穂も見えていますが望遠レンズではないので小さくしか写りません。ちょっとトリミングしてみました。
上松Bコース方面と御嶽山、右は乗鞍岳
そして、これから向かう木曽前岳へと繋がる痩せ尾根。
麦草岳から木曽前岳までのルートは破線なのでちょっと心配だったのですが、それほど危険な箇所はないように感じます。
ただ、崩壊が進んでいるので注意して通過するは必要がありそうですが…。
滲みでた水がつららとなって垂れ下がっていたので、一本折って喉を潤わせていただきました。
なかなか美味でしたよ。。。
秋空に映える麦草岳を振り返る
こちらは ↓ 氷筍というのでしょうか?滴り落ちる水滴がどんどん上に成長していく珍しい現象でした。
気温は多分低いと思われますが、風がないので寒さは感じません。
木曽駒ヶ岳が見え隠れします。
錆びた鎖がある岩場 麦草岳方面
手前は牙岩
壊れかかけた梯子を登り、牙岩を越えます。
牙岩の下りは慎重に…
ここは少し緊張しました!
↓ 「どっちに行こうかな…」分岐にたたずむも〜りさん
木曽前岳と巻き道の分岐、玉ノ窪山荘まで木曽前岳経由で1時間、巻き道なら30分の行程。
正直言っておつかれモードの私は巻き道を行きたかったのですが、前岳に行きたそうなも〜りさん…
しゃ〜ない!!頑張って行きましょうか〜〜!!
木曽前岳までは45分です(木彫りの道標が味わい深いですね!)
草付きの急登をガシガシ登るも〜りさん!
一方、写真を撮るふりをして休んでばかりのワタシ…ま、いつものことでバレバレですけどね^^;
おぉ〜〜上がってきましたよ!でも、ここは木曽前岳じゃなかった…
三の沢岳がど〜んと大きく聳えます。
木曽前岳はもう一息でした。
木曽前岳より木曽駒ヶ岳本山 バテバテだったけど分岐から35分で登ってきましたよ!!エライ!!
宝剣岳
一旦 玉ノ窪山荘まで下りて木曽駒ヶ岳へと登ります。
玉ノ窪山荘はすでに小屋締めしたようで雨戸で閉ざされていました。
ここに九合目の標識あり、山頂まであと少し…
祠を通り過ぎ…木曽駒頂上小屋も素通りして…
木曽駒ヶ岳山頂に着きました
宝剣岳と奥に見えているのは空木岳かな?
去年の夏歩いた、宝剣岳から伸びる三の沢岳への稜線がくっきり見えます
今日は平日ですが、さすが木曽駒ヶ岳は人気が高いですね〜
これまで、ほとんど人に会わなかっただけに木曽駒山頂の賑わいが嬉しく感じます
暑くもなく寒くもないちょうどいい気温につい長居してしまいました。
展望もバッチリで自然と顔がほころびますね^^;
さて、賑やかな山頂にお別れして私たちは福島Bコースを下ることにします。
またまた、静かになります。
玉ノ窪山荘までは折り返しですが、ここから七合目避難小屋までは初めての道です。
登山道はとても歩きやすく整備が行き届いています。
木曽駒ケ岳はロープウェイで登る方が大半で、福島、上松を含めてこちらのコースを使う人は思った以上に少ないです。
例年ならこの周辺は赤や黄色の鮮やかな色に染まるのでしょうが、パッとしない今年の色づき、
それでも荒々しい岩、白い幹、褐色の葉が織り成す秋の彩りに思わず立ち止まって見入ってしまいます。
負け惜しみでなく、これはこれで本当に美しいのです!
木曽駒ヶ岳が遠くになりました。
山頂から九合目までは軽く下りてきたけれど、九合目〜八合目間は結構時間がかかりました。
【八合目】
八合目には水場があり、この水場から七合目避難小屋まで水が引かれています。
「トイレのために水を送っています…」???七合目では、この水をどうしてトイレ用に限定しているのでしょうか?
やっぱり納得できません…
もう、飲んじゃったし…ま、いっか^^;;
こんな足場の悪いへつりには手間をかけて木道と鎖が設えてあり、長い長いホースを伝って水が延々と流れています。
山姥岩
針葉樹が出てくると小屋も近いです。
12:55 七合目避難小屋に戻ってきました。
荷物の整理と小屋の清掃をして、13:35 下山開始です。
本当にお世話になりました
登りでは気づかなかったけど雨宿りに適した面白い岩に感激したり…
登り同様、四合目半で大休止したり…
「昨日より紅葉が進んでいるね^^」と喜んだりしながら、下っていきます。
この日福島Bコースですれ違っのは単独の男性一人だけでした。
この沢を渡ればあとは林道をトコトコ下るだけ…
おぉ〜〜紅葉が綺麗!!来週あたりがピークかな〜〜
おしゃべりをしながら林道を歩くこと30分
登山口のコガラに戻ってきました。
千畳敷から登る木曽駒ヶ岳も素敵ですが、こちらのコースもオススメです。
麦草岳からの破線コースは崩落が進んでいるので注意が必要ですが、眺めは抜群でまた行きたくなります。
権兵衛トンネルの開通で木曽がうんと近くなり、健脚の方なら日帰りも可能な山域です。
今回は福島コースでしたが上松から登るのも良さそうですね!!